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ベアーズインタビュー

株式会社富士通総研 経済研究所主任研究員 渥美由喜さん

Profile

あつみ なおき
1968年生まれ。東京大学法学部卒業後、㈱富士総合研究所を経て2003年、㈱富士通総研に入社。
若手ながら国内でも有数の少子化対策・ワークライフバランスの専門家として、内閣府の「少子化対策推進会議」 「ワークライフバランス官民連絡会議」「子どもと家族応援戦略会議」等の委員 も務める。
著書に『少子化克服への最終処方箋』(島田晴雄氏との共著・ダイヤモンド社 2007年)などがある。

第4回ベアーズインタビュー“ハッピーライフバランス” 『みんなでワークライフバランスしよう』

今回のハッピーライフバランスは第3回までと趣向を変えて、少子化対策の専門家・渥美由喜さんをゲストとしてお招きしました。 「少子化、実際のところはどうなの?」、「ワークライフバランスって何なの」ということについてお話を伺いました。

少子化対策を研究する理由 - 「産んで育てたい」を満たせる社会に

高橋:
まずは渥美さんが少子化問題について研究されている理由についてお教えいただけますでしょうか?
渥美:
少子化はこれからの日本において、最も懸念すべき問題です。
現在の日本の人口は1億2000万人、これがまず8000万人までの減少が確実です。さらに8000万人で下げ止まらずに、4000万人程まであっという間に人口が減る可能性を高く秘めています。
人口が激減すると、1億2000万人で組まれている今の日本の社会システムは全く機能しなくなるため、根本的な社会システムの組替えが必要になります。
少子化楽観論者は、しばしば「人口が少なくなると、帰省の時期に高速のラッシュが無くなる等、良い面もある」という意見を述べますが、それは間違っています。人口4000万人だと、単純計算で税収は3分の1、高速道路は維持費さえ払えず使用できなくなるという将来像さえ考えられます。
このように、日本は少子化により危機的状況にあります。 そもそも、「出産・子育てをしたくない」すなわち個人の選択の結果としての少子化であれば、第三者がどうこういうべき問題ではないのですが、「出産・子育てをしたいのにできない」すなわち環境整備の遅れによる少子化という現状は、大いに問題です。
“「生んで育てる」という人間の根源的な欲求さえも満たせない社会はおかしい、社会経済環境を改善すれば、少子化問題は解決するかもしれない”、という考えで研究をしております。
高橋:
なるほど。
渥美さんは少子化に関して、他国の研究にも注力されていますが、海外と比較すると日本に必要な社会システムとは具体的にどんなものでしょうか。
渥美:
まだまだ日本は女性が働きながら子育てできる環境整備が遅れている、ということが問題です。
出生率低下は「女性の出産ストライキ」の結果という面もあると思います。具体的には、仕事と子育ての二重の負担、さらに夫の世話をする負担という三重苦が、晩婚化あるいは晩産化を引き起こしています。
ですから、日本は女性が仕事と育児が両立できる社会経済環境を抜本的に整備していく必要があります。そこで考えられることが『ワークライフバランス』の確立です。


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