『父親であることを楽しもう!』 - NPO法人 ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也さん|ワークライフバランスインタビュー ハッピーバランス

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ワークライフバランスインタビュー

NPO法人 ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也さん

ファザーリング・ジャパン

パパの極意―仕事も育児も楽しむ生き方 (生活人新書 248)

「育児を、仕事を、人生を、笑って楽しむ父親を増やしたい」。町の本屋さんからIT企業まで、数々の企業で働きながら子育てをして10年。父親支援の NPOを立ち上げるほどにハマった育児の醍醐味とは? 子どもたちの明るい未来のために今、求められる父親像とは? 仕事も家庭も地域活動もあきらめないで幸せな毎日を送る秘訣は? 著者が体当たりでつかみ取った、パパの極意がここにある。


地域社会での役割を楽しむ ~『渦の中心となれ!』~

高橋:
安藤さんは小学校のPTA会長もやってらっしゃるそうですが、なぜそうされたのですか。
安藤:
家庭の中だけの良い父親ではなく、地域社会の中で父性を発揮し、その役割を楽しむのが育児の醍醐味、ファザーリングの本質の一つだからです。
地元はトレジャーランド、宝島ですよ。地域社会で自分が中心になって渦を作っていけば、実は面白いこと、楽しめることがいっぱいできます。僕は去年、学校の保護者や地域の人たちと協力していろんなイベントをやりました。そうすると、楽しさを味わったお父さんたちが、次第にPTAやクラス役員などに入ってきて、一緒に楽しんで活動していけるようになりました。
高橋:
楽しみを他人と共感・共有すると、自分の感じる楽しみも倍増するものですよね。
そうやって地域社会を巻き込んで楽しむスタンスも安藤流なんですね。
安藤:
僕にはいま「パパ友」が地域に30人くらいいるんですが、駅前の焼き鳥屋の2階がアジトになっていて、そこでいろいろな話をするんです。思いつくとメールで「ちょっと飲もうよ、今夜9時半集合ね」と号令をかけて。みんな子供のこと寝かしつけたり一通り終わってから集まり始めます。
こういう身近な地域での付き合いの中で自分の世界が広がり、市民としての自分の成長へつなげることができるんです。そのためにはアナログなコミュニティが必要で、そこに入っていく勇気と楽しむ精神が必要だと思います。
時代が変わってもアナログな付き合いは人間にとって大切。人は共同体の中でしか生きていけないものです。

また、家庭もそれのみで存在するのではなく、地域の中にあるからこそ存在していられると僕は思っています。昔は地域の結びつきが強かったので、僕達は子供のころに多様な大人を見ることができましたが、現在はそれがなく、父親も家庭にはあまり姿を見せないので、子供にとっては情報不足です。情報は溢れているように見えるのですが、実は大事な情報が不足している、そんな状況を打破するためにも父親の地域活動参加は必要です。

ファザーリングの“コツ” ~『育児は点より線!』~

高橋:
男性にうまくファザーリングするためのアドバイスを一言いただけますでしょうか。
安藤:
まず男性には自分の育った環境、特に自分の父親の在り方をよく思い出し、そこに刷り込まれたものがあることに気づくこと。そしてそれを現在の自分や社会情勢と照らし合わせることです。
父親の反面教師な部分を今度は自分がやっていることに気づいたとき、それをうまく修正する力がファザーリングには求められます。僕もかなり意識的に修正するように努めました。なかなか難しかったですが、妻も理解し、協力してもらいました。
高橋:
愛がありますね。
安藤:
ええ(笑)。パートナーシップは子育てにおいて最も大切なことですね。子育ては「協働」「共育」という考え方が夫婦間にきちんとあれば、たいていのトラブルは大丈夫です。
あとは、やはり育児は義務ではなくて楽しい権利。子供と一緒に自分が成長できるチャンスだと捉えることです。毎日仕事ばかりだと擦り減ってしまい、大事なものを失ってしまいがちです。それを取り戻すのが子育てで、平日に子供とごはんを食べるといった暮らしをまずは取り返すのがファザーリングの第一歩です。週末だけの育児ではなく、平日もなるべく子供と一緒にいられるように時間を作る努力をしましょう。育児は「点」ではなく、「線」で感じるのが楽しいのです!
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安藤さんのハッピーバランス ~『寄せ鍋理論』~

高橋:
ご自身のハッピーバランスの秘訣についてお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
安藤:
「人生は寄せ鍋」。そう思って生きることが秘訣ですね。
僕は人生を楽しむために、家庭と仕事を切り離して考えたくありません。トレードオフではなく両方とも楽しみたいんです。家庭も仕事も寄せ鍋の具材のように全部ぶち込んで、グツグツ煮て美味しく食べればいいのです。
父親は特に多くの具材を持ちえるし楽しめるのです。仕事・育児・地域活動・趣味など様々な具材を鍋にどんどん入れて、楽しみながら味付けをする鍋奉行が父親なのではないでしょうか。鍋がおいしければみんな新しい具材をもってまた食べにきてくれて、鍋はますますおいしくなります。このように自分の人生という鍋に無限に味付けをし続ければ、父親の世界も無限に広がっていくし、その影響で子供や周囲の人々はハッピーになると思います。だから父親だったら「寄せ鍋理論」を実践し続け、人生を楽しむこと。これこそがファザーリングの極意です。
高橋:
なるほど。

ベアーズの家事代行サービスも、皆様が作る人生の寄せ鍋の調味料のひとつとして、良い味を出せるよう精進して参ります。

今後の展望

高橋:
最後に今後のファザーリング・ジャパンの展望についてお聞かせいただけますでしょうか。
安藤:
子育て支援ではなくて、子育てを通しての夫婦支援や、父親の自立への支援がファザーリング・ジャパンの本質ですので、今後はそこに注力していくつもりです。
具体的にはセミナーの他に、ファザーリングを軸として、音楽、本、旅行、料理などの楽しい事業を展開して日本の父親たちを揺さぶっていきたいですね。あとは、現役も大事ですが、いまの10~20代の次世代パパへの教育かな。
高橋:
楽しそうですね!
日本社会に元気が無い今のご時勢だからこそ、父親の笑顔はとっても大事で、みんなを幸せにしてくれるものだと思います。 そんな父親の笑顔を増やす活動に全力投球している安藤さんのますますのご活躍を期待しております!
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≪対談を終えて≫
安藤さんと対談しながら、私の頭に思い浮かんできたのはジョン・レノン。
彼は息子ショーンが生まれて5年間、育児と家事に専念するために音楽活動を休止し、家庭に入り、ハウスハズバンド(主夫)という言葉を浸透させました。
そのジョン・レノンいわく、「子どものことをよく知っている人間なんていないですよ。」

対談の中でもありましたが、父親になることは男性にとって未知で不安を感じることかもしれませんが、それと同時にすばらしい経験をできるチャンスでもあります。
実際に、“育児休暇”から復帰したジョンの優しい歌声はそれを納得させるに充分なものですよね。

すべての人に幸せを与えるファザーリングという考え方、その価値の大きさは計り知れません。
皆さんもファザーリングするために行動してみませんか。

ちなみに、安藤さんからジョンを連想したきっかけはロック。
ロックン・ローラーのパパって、やっぱりかっこいいですね!

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