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ワークライフバランスインタビュー

ワークライフバランスインタビュー

東出 浩教さん

「ソーシャルでボーングローバルなことを行うと社会を変えられる」

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早稲田大学ビジネススクール教授
東出 浩教さん

Profile

東出浩教 / 早稲田大学ビジネススクール教授 / ウエル・インベストメント株式会社 取締役

1962年生まれ。
慶応義塾大学経済学部卒業後、鹿島建設入社。
建設JVのマネジメントや欧州各国における不動産投資の実務に従事。
その後、1991年、ロンドン大学インペリアルカレッジ修士課程修了(MBA)。
1998年、早稲田大学ビジネススクール講師、およびウエル・インベストメント取締役に就任。
2000年、ロンドン大学インペリアルカレッジにて、恐らく日本で初となるベンチャー研究における博士号を取得。
2006年、早稲田大学ビジネススクール教授に。
ベンチャー起業の研究・人材育成に尽力している。

“スキル哲学バランス”こそが、ベンチャービジネスの要
高橋
まずは、この早稲田大学ビジネススクールで東出教授が日々教えてらっしゃる授業テーマについて、お教えください。
東出
さまざまなテーマがあるのですが、中心となるのは、“アントレプレヌーリアル・リーダーシップ”、日本語で言うと、“起業家的なリーダーシップ”です。それがなぜテーマかというと、先が読めない今の世の中、個人が活躍して幸せになるためには、不確実な状況で、いかに自分の自由、言い換えるならば自身で考えて判断できるポジション・能力を掴み取っていくかが大切です。しかし日本のこれまでの会社、一般的に大企業といわれる会社では、自分自身で決断を繰り返しながら、運命を切り開いていく人材がなかなか育ってこなかったのが現状でした。なので、日々の授業やさまざまな活動を通し、起業家的なマインドと行動パターンをお伝えして、皆さんが自律的に自身の人生を掴み取っていけるためのお手伝いをしています。それが僕の授業のコアのテーマになります。またもう一つのテーマとしては、経営のための倫理と哲学があります。これは、日本人と外国人が混ざって行う授業なんですが、先にお話ししたように自身の人生を掴み取っていくと同時に、倫理的に高いレベルに上っていくような決断の仕方をアドバイスしています。
高橋
なるほど、人が倫理的に成長するアドバイスもされていらっしゃるのですね。
でも考えてみると、一般の大学で倫理とか哲学を教えてくれるところは、かなり珍しいですよね?
東出
ええ、普通はあまり教えないですね。
でも、ここ最近は世界中のビジネススクールで、倫理や哲学を組み込んだ授業コースがものすごい勢いで生まれてきています。リーマンショックは、日本で捉えられているよりも、世界ではもっと深刻に捉えられていまして、お金を目的とした人生や教育から、ある程度決別する、離れていかなきゃいけないという意識は、それ以来高まってきています。そういった面では、日本のビジネススクールは、正直遅れていますね。
高橋
じゃあ、お金を得るためよりも、精神的な豊かさを得るための社会にシフトしつつある、ということですか??
東出
そうです、世界の潮流として明らかにそれは現れているけれど、日本ではまだ、いかにお金を稼ぐかを学校で教えようとしている。もちろんお金を稼ぐことはいいことだけれども、それだけではバランスを欠きます。じゃあどうすればいいのか、何を付け加えていけばいいのかを僕は伝えていきたいのです。
高橋
マインドとスキル、その両方を育てていくということですね?
東出
そうです、ひと言でいえば、“スキル哲学バランス、”ということになるかな(笑)
高橋
“スキル哲学バランス”!今日のインタビューのテーマはそれになりますね。
そのスキル哲学バランスにおいて、日本と諸外国ではどのような違いがありますか?
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