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ワークライフバランスインタビュー

ワークライフバランスインタビュー

中野晴啓さん

今の社会、次の社会を良くするために、“長喜投思”のバトンをつなぐ

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セゾン投信株式会社 代表取締役社長
中野晴啓さん

Profile

代表取締役社長

1963年東京生まれ。1987年明治大学商学部卒。同年、現在の株式会社クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金の運用のほか外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、株式会社クレディセゾン インベストメント事業部長を経て2006年セゾン投信株式会社を設立、2007年4月より現職。米バンガード・グループとの提携を実現し、現在2本の長期投資型ファンドを設定、販売会社を介さず資産形成世代を中心に直接販売を行っている。
公益財団法人 セゾン文化財団理事
NPO法人 元気な日本をつくる会理事

著書
2010年4月『運用のプロが教える草食系投資』(共著) 日本経済新聞出版社
2010年12月『積立王子の毎月5000円からはじめる投資入門』 中経出版
2011年6月『投資信託は、この8本から選びなさい。』 ダイヤモンド社
2012年6月『定年までにいくらあれば生きていけるか』 アスキー新書
2012年10月『20代のうちにこそ始めたいお金のこと』 すばる舎
2013年2月『30歳からはじめるお金の育て方入門』(共著) 同文館出版
2013年7月『年収500万円からはじめる投資信託入門』 ビジネス社
2013年7月『投資信託は、この9本から選びなさい。』 ダイヤモンド社
2014年7月『預金バカ 賢い人は銀行預金をやめている』 講談社+α新書
2014年8月『投資信託はこうして買いなさい ダイヤモンド社』
2014年10月『見る・読む・深く・わかる 入門 投資信託のしくみ』日本実業出版社

投資信託は、自分のお金をじっくり育てる器
中野
僕はベアーズという会社が立ち上がってすぐの頃に、ゆきさんに初めてお会いしたんですよね。
高橋
あの頃のベアーズは本当に、個人商店みたいなものでしたね。当時、中野さんは課長さんだったんですけど、次にお会いした時は部長さんになっていて、どんどん階段を登って社長になられたという印象があります。簡単に、中野さんが立ち上げた会社について、教えていただいてもいいでしょうか。
中野
はい。僕が社長を務めるセゾン投信株式会社は、2007年に営業を開始しました。今年で9年目ですね。投資信託って興味ありますか?
高橋
えっ、あの、正直に言うとあんまり……(笑)。
中野
という方が、ほとんどですよね(笑)。でも、ベアーズで働いている方、そしてベアーズのサービスを使って一生懸命毎日がんばっている生活者の皆さん、そういう方々こそ、ぼくにとってはセゾン投信のお客様になってほしい方々なんです。
高橋
そうなんですか!でも、投資信託をやろうにもお金がない、と思ってしまうんですけれど……。
中野
そう思っている方は多いのですが、お金がないと投資できない、なんてことはないんですよ。うちの投資信託は積立投資が中心なんです。毎月5千円からでも始められます。そうじゃないと、普通に生活している人には手が出せないですよね。ふつう証券会社のお客様って若くて60代、そして70代のお客様が一番多い。つまり、世の中で一番まとまったお金を持っている高齢者を、いいお客さんとしているわけです。でも、僕らはそういう発想じゃなくて、これからの社会を自分の意志で切り拓いていく人を応援している。だから、お客様の中心は30代なんです。
高橋
へえ、少額でも始められるなんて、知りませんでした。
中野
それは、既存の金融業界の問題だと思うんです。本当の意味で生活者のためになる資産運用や、投資信託を提供してこなかった。これが、自分自身がサラリーマンとして資産運用の現場で奮闘していたときに、ずっと気になっていたんです。この会社を立ち上げたコンセプトは、既存の金融業界に対するアンチテーゼでした。だからこそ、セゾン投信は100%、お客様のための投資信託を提供しています。これはお題目ではなく、本気で100%なんです。
高橋
ベアーズで働くベアーズレディも含めて、お金に対して意識が向いていない人、どうやって計画的に資産を形成すればいいかわからない人ってたくさんいると思うんです。このセゾン投信さんの投資信託っていうのは、どういうふうに理解すればいいのでしょうか?
中野
僕はよく、投資信託は自分のお金をじっくり育てる器みたいなものだ、と説明しています。器に自分のお金を入れて、愛情をもってゆっくり時間をかけて育てると、お金が増えていく。
高橋
つまり、セゾン投信さんにお任せして育ててもらえば、大輪の花が咲くということですか?
中野
投資って、多くの人は短期的に上がる株をどこからか探してきて、ぱっと売って、わーっと儲かる、みたいに想像してるんですよね。そんな簡単にお金が増えるわけないんです。もしそういうことがあるとすれば、可能性は2つ。ひとつは偶然。もう一つはインチキですね。
高橋
なるほど。
中野
でも、誰でも合理的にお金を育てて、それなりに大きく咲かせる方法もある。それが、長期投資です。徹底して、長い時間をかけて投資をする。2年、3年なんてスパンではありません。20年、30年とゆっくり時間をかければかけるほど、大きく育つものなんです。僕がファンドマネージャーとしてサラリーマン時代にやっていたのは、これとは逆のことでした。
高橋
すぐに儲かる方法を探していた?
中野
そうですね。みんなが気付かない差を探し、そこに投資機会を見出す。それは、プロの仕事なんですけど、本当の意味での投資ではなかった、と今は思います。ある種のマネーゲームなんです。やってて気づいたんですよ。この仕事って、自分が今すぐ辞めたとしても、世の中は何も変わらないな、と。つまりこの仕事って社会にあってもなくてもいいものなんじゃないかと思ったんです。
高橋
虚しさを感じたんですね。
中野
でも、そもそも資産運用というのは、長い歴史がある事業です。ということは、なんらかの社会的な存在意義があるはず。そう考えると、金融として預かった大事なお金をどういうふうに動かしていくか、ということに実はすごく意味があって。世の中の笑顔が増えて、みんなが豊かになって、いい社会になる。そういう方向にお金を動かして初めて、資産運用の社会的な意義が存在すると考えたんです。
高橋
それはすばらしい意義ですね。でも私達は、どういうふうにお金を動かせばいいかわからないから……
中野
僕たちのようなプロが、みんなの代わりに、幸せがたくさん生まれる方向にお金を動かしていく。それが投資信託です。
預金とは何が違うの? 誰もが社会を幸せにする投資家になれる、とは。”
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