NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤 哲也さん【その2】

対談
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ワークライフバランスインタビュー

安藤 哲也さん

「父親であることを楽しもう!」

第8回

NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事
安藤 哲也さん

パパの極意―仕事も育児も楽しむ生き方 (生活人新書 248)

パパの極意―仕事も育児も楽しむ生き方 (生活人新書 248)

「育児を、仕事を、人生を、笑って楽しむ父親を増やしたい」。町の本屋さんからIT企業まで、数々の企業で働きながら子育てをして10年。父親支援の NPOを立ち上げるほどにハマった育児の醍醐味とは? 子どもたちの明るい未来のために今、求められる父親像とは? 仕事も家庭も地域活動もあきらめないで幸せな毎日を送る秘訣は? 著者が体当たりでつかみ取った、パパの極意がここにある。

高橋
もったいないですね。子供には思いっきり笑ってほしいものですが・・・。
安藤
おそらくその家庭で笑っているのはテレビだけなのではないでしょうか。父親は家庭にいることはほとんどなく、母親はストレスが溜まって常に不機嫌で・・・。子供は全然楽しくないでしょう。自分の生まれてきた理由も分からないと思います。そんな状況を何とかしてあげたいと考え、ファザーリング・ジャパンを立ち上げたんです。そういうかわいそうな子を助けるというよりも、その状況を生み出している社会の構造を変えるためです。
高橋
使命感のようなものを感じられたんですね。
安藤
うーん。使命感というよりビジネスのアイデアを思いついたときと同じ感覚でしたね。誰も言ってないしやってない、じゃあいっちょやるかって感じです。父親が世帯数の数だけいるとしたら、もの凄いマーケットですしね。
またNPOだからって、発信の中味は堅苦しくしたくない。だからお父さんたちには、「義務じゃなくて、父親であることをもっと楽しもうよ」ってメッセージを伝えたいんです。無理して完璧を目指してストレスをためるよりも、自分のスタイルでその日のベストを尽くす父親の方がカッコいいと思います。そのための気持ちの持ちようや、仕事へのスタンス、子供との向き合い方など、人生をもっと楽しくカッコよくするための方法を僕なりの言葉で伝えたいという想いが、ファザーリング・ジャパンの原点です。

ファザーリング・ジャパンの活動内容 – 『メンバー自身も楽しむ』

ファザーリング・ジャパンの活動内容 - 『メンバー自身も楽しむ』
高橋
ファザーリング・ジャパンでは、他にどんな活動をされているのですか。
安藤
自治体や企業でのセミナー、公演がメインです。
また、子供ではなく、父親向けのワークショップも随時行っています。ファザーリング・ジャパンには、たとえば料理が得意なパパや、アウトドアが得意なパパがいて、彼らがいろいろなワークショップを企画し、開催しています。
高橋
なるほど、安藤さんだけではなく、ファザーリング・ジャパンには様々なタレントを持ったメンバーがいらっしゃるのですか。そんな方々とワークショップの企画をするのは楽しそうですね!
あと、「パパ検定」をやられたと聞きましたが、その反響はどうでしたか?
安藤
まだ1回目なのですが、全国で1000人ほどのパパが受験しました。120社ほどのメディアが取り上げてくれ、中には海外の通信社もありました。来年3月に予定している2回目も、受験したいとの声もいただいています。
そのパパ検定も最初は合否をつけるのはどうか、と誤解を受けましたが、私たちは数値化・序列化が目的ではありません。子どもの育ちを取り巻く環境が変化・悪化する時代において、お父さんたちに、自分の子育てを見直したり、国の政策などを見つめ直すきっかけにしてほしかったのです。
育児について知っているつもりでも、父親の多くはほとんど何にも知らないものです。検定を受けた人は一様に「難しいですね」と言われますが当たり前です。習っていないんですから。でも「自分は子供のことを何も知らない」ということに気づくことが成長の第1歩ですから、「父親スイッチ」になればいい。
それこそがパパ検定の目的なんです。
高橋
なるほど、女性の私から見てもどんな問題がでるのか気になりますし、面白そうですね。
でも一番気になるのは私の夫の検定結果。来年受験してもらいます(笑)
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