株式会社イマジンプラス 代表取締役社長 笹川祐子さん【その3】

対談
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ワークライフバランスインタビュー

笹川祐子さん

ロボットに負けない! 新しい価値観を創り出せる人になる

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株式会社イマジンプラス
代表取締役社長
笹川祐子さん

ロボットに負けない人材になるために

笹川
実現していることもあれば、まだのこともあります。
高橋

私達、本当によく似ている。私も「夢の宝地図日記」というのをつけているんです。未来のことをカードに書いて、コルクボードに貼っていく。叶うとそれをはずしていくんです。今まで叶えられなかったことは、一つもありません。まだ叶えていないことも、全部実現していくつもりです。
笹川
そうですよね。私も、まだ叶っていないことはありますが、それはこれから現実になるのだと思っています。
高橋
そして そこから どうやって今のイマジンプラスにたどり着くのでしょうか。
笹川
上京して働いた会社で最初の2年は広報や採用を担当し、3年目に新規事業に乗り出しました。その時、1996年だったんです。世の中はインターネットの黎明期で、パソコンの展示会がよく開かれ、そこにはコンパニオンさんがたくさんいました。けれどもパソコンについて説明できる人は、ほとんどいませんでした。OA機器に詳しいコンパニオンさんがいたら、ニーズがあるんじゃないか。そう考え、パソコンにまつわる基礎知識やソフトの使い方、インターネットの活用法などを派遣のコンパニオンさんたちに教えることにしました。さらにあいさつとマナー、発声の講習もおこない、メーカーに提案したら 「まさに持っていた人材だ」と喜ばれました。パソコンスクールでの経験が活きましたね。
高橋
時代にマッチしていたんですね。
笹川
営業はスムーズだったものの、最初のうちは新規事業のメンバーも足りなかったので、採用、研修までほぼ一人おこないました。どんどん社員も増えていきましたが、はじめの2年間は正月しか休みがありませんでした。大変だったけれど、とても楽しかったです。その事業で7年後に独立したのが、イマジンプラスです。
高橋
そこからイマジンプラスはどう進化したのですか?
笹川
事務員や営業の人材を派遣してほしい、社員を研修してほしいなど、たくさんのご意見をいただき業容拡大していきました。OAコンパニオンも、展示会などのイベントから量販店の販売員へ。パソコンからスマホ、デジタル家電、理美容系の家電など、扱う商材も時代と共に変わってきました。
高橋
イマジンプラスの、同業者にはない強みとは何ですか。
笹川
クライアント様から評価をいただくのは、運用体制です。またインストラクターの社員がおり、自社内に教育施設もあるので、スタッフの教育体制がきちんとしているということも、ご評価いただいています。あとは、海外からのお客様にも対応できるスタッフの育成。例えば最近では、「爆買い」で注目されている中国のお客様の対応は、喜ばれますね。
高橋
時代が必要としているものを一足先に用意して、クライアントに提案しているのですね。
笹川
まさにそうです。
高橋
そして、これからの夢とは何ですか?
笹川
イマジンプラスというのは想像力をプラスするという意味です。そして「イマジン」というのは「今人」という意味もあります。今、求められる人材を提供する。今後、労働力が減っていく日本社会では、シニア層が定年後も働き続けられる環境が必要です。そこで立ち上げたのが「匠職人養成プロジェクト」。早期退職した 55歳から、何らかの技術をもって生涯現役で仕事をする。そうした新しいタイプの職人を養成し、その匠の技を海外派遣していく。第一弾は、大工です。そのために、工務店も立ち上げようとしています。
高橋
ガテン系の社長さんになるんですね。かっこいい!
笹川
この工務店が新しい職人の方々の受け皿となります。
高橋
私は日本社会において、戦後ずっと育成してきた人材とは、違う種類の人材が求められていくようになると考えています。インターネットの黎明期 が 1996年頃だとしたら、今はまさにヒューマンデベロップメントの黎明期なのではないでしょうか 私たち自身も次のステージに行かなければいけない。アップデートが求められています。
笹川
そうなんです。建設現場の職人も、職人2.0から3.0にならなければいけない。これは生まれ変わるぐらいドラスティックな変化です。
高橋
こんな時代だからこそ 私は愛のある経営を追求していきたいと考えていいます。このままではAIにすべて置き換えられてしまうでしょう。けれど人工知能が発展しても、人工「感情」ができるまでにはまだ時間がかかる。その感情が活きる領域が、人材ビジネスだと思っています。こんな時代に笹川社長が思う、これからのリーダーとして求められる素質とは何でしょうか。
笹川
「愛」はもちろん大切ですよね!それから私は、新しい価値観を創造できる人だと思っています。価値観をつくり、先頭を走って行動できる人。ゆっきーがAIと言いましたけど、私も「ロボットに負けないようにがんばろう」といつもスタッフに言ってるんです。このままでは 私たちの仕事はなくなってしまう。そんな危機感を覚えているからです。けれども、ルーティンの仕事をロボットが肩代わりするのであれば、新しいものを創造することがさらに大事になってくる。私たちはよりクリエイティブに集中できる。それは、おもしろい時代でもあると思います。
高橋
そうですね。私はいつも イマジンプラスさんはただの人材ビジネスの会社ではないと感じていました。社格というものがあると思っていたんです。今日は笹川さんのお話を聞いて、思索にふけった子ども時代やひいおじいちゃまの存在が根底にあるからこそ、今のイマジンプラスがあるということがわかって、とても良かったです。
本日はありがとうございました。

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