ワークライフバランスインタビュー
「主婦休みの日」を定着させよう
第11回
サンケイリビング新聞社 取締役編集局局長
植田 奈保子さん
互いの絆を深めるための『主婦休みの日』にしてほしい
- 高橋:
- 『主婦休みの日』を利用して、主婦にはどのように休んでもらいたいですか。
- 植田:
- 「自分の為のリフレッシュ」をしてほしいですね。
寄せられた声で一番多かったのは、「自分の為の時間を過ごしたい」ということでした。
以前、主婦の一日タイムスケジュール調査をした事があるのですが、実は、主婦は家族や誰かの為に使う時間が一日で何度もあり、何十分単位の細切れの時間がとても多いのです。 - 高橋:
- とてもよくわかります(笑)
- 植田:
- だからこそ、自分の楽しめる時間を過ごしてほしいですね。例えば「エステ・ランチ・旅行」などに出かけるなどして。
ご主人や家族は主婦休みを気持ちよく受け入れ、主婦にはリフレッシュして家族の為に笑顔になって帰ってきてほしいですね。 - 高橋:
- そうですね。
主婦が休むことは家族や周囲の理解がないと難しいですものね。相手の立場を理解し、思いやることのできる一日になると思います。
また、お休みの事を伝え合い、話すだけでも家庭内コミュニケーションがより円滑になるのでしょうね。 - 植田:
- ご主人には、主婦の仕事を「自分事」に感じてもらえるキッカケにしていただけたらうれしいですね。
読者から寄せられた声によると、ご主人に言われて悲しくなる言葉の第一位は「手伝おうか?」なのです。
主婦からしてみたら「(あなたには)他人事だからそういう言葉がでてくるのでしょ?この家庭も子供もあなたと一緒に築いているのに」ということです。
家庭の事が他人事になっている現状を、主婦は敏感に感じ、“悲しい”と感じています。 - 高橋:
- 「主人やパートナーがもっと主体的に家事や育児をするよう、働きかけるのにはどうしたらいいでしょうか。」と、私も相談を受けることがあります。
一番大事なことは『笑顔で感謝の気持ちを伝える』ことだと思います。
たとえ手伝ってくれた結果がどんなに満足のいかないものであっても、してくれた事自体に、感謝の気持ちを最高の笑顔で伝えるのが大切です。
男性は皆やさしいのでそういう風に接するとドンドン参加してくれます。 - 植田:
- 互いの絆を深めるための『主婦休みの日』になって欲しいので、ご主人にも積極的にこの一日を活用してほしいですね。 女性側もご主人の家事を大きな気持ちで受け入れる事が必要です。女性だけでなく「主夫」も同じことです。もちろん専業主婦だけでなく兼業主婦も。
生活している限り家の事、「家事」は男女に関係なくエンドレスに続くことですので。
家族が、お互いの仕事を理解し、みんなで築く家庭のことを考えるキッカケに『主婦休みの日』を活用してもらえたらうれしいです。
そして、そこに新しい需要も生まれますから、「主婦の元気はニッポンの元気」につながると思っています。 - 高橋:
- 私たちベアーズも「ガンバル女性を応援する」という気持ちでスタートしました。
私たちのお客様を見ていると、パートナーであるご主人、会社や社会の理解があるからこそ、より女性が゛笑顔”になれるのだと実感しています。
是非この機会に話し合い、互いの絆をより一層深めていただきたいですね。
植田さんのハッピーバランスの秘訣、そして働く後輩女性たちへの応援メッセージ
- 高橋:
- 御社での「ワークライフバランス」についてお聞かせください。
- 植田:
- まだまだ社会全体と比較すると、ワークライフバランス推進が我が社で進んでいるとは言えない状況です。
だからこそ、部下が育児や介護の時に「休みます」と言い出せる環境と、安心して休める職場作りをすることが私の使命だと思っています。 - 高橋:
- なるほど。会社で時代の流れと社会の変化を敏感に感じ取ってきた女性上司だからこそ、女性が働き続けやすい職場に少しずつ“変えていく使命”が植田さんにはあるのですね。
- 植田:
- 女性の為の生活情報紙を発行している私たちだからこそ、できることがあると思うんです。
今回の『主婦休みの日』のように女性視点、読者視点を忘れずに発信していきたいと思います。 - 高橋:
- 私は「ワークライフバランス」というのは、仕事と私生活との幸せ満足度バランス、いわゆる『ハッピーバランス』だと考えています。
植田さんご自身の『ハッピーバランス』の秘訣をお聞かせ下さい。また、同じように働く後輩女性たちに向けての応援メッセージもお願いします。 - 植田:
全体的に「いい塩梅の“良い加減”」が私のバランススタイルですね。何事も頑張りすぎると自分が軋みます。逆に怠惰だと何も生まれません。
仕事でも、自分自身が楽しめる事を必ず一つ作っています。その趣味のような仕事が、他の仕事をテキパキ片付けようとするエネルギーになります。
後輩女性たちに伝えたいことは、「とにかく迷わず、ためらわず、目の前の事を一生懸命やってみる」ということです。あまり悩まず、一心不乱に目の前の仕事に取り組むのです。
ただし、自分なりのポリシーを持って取り組むことは大切です。私自身は、目の前のことを一生懸命「格好よくやりたい」というポリシーで働いてきた気がします。- 高橋:
- 素敵ですね。一生懸命一心不乱に取り組んできたからこそ、゛良い加減”のさじ加減のきいた『ハッピーバランス』があるのですね。
御社が社会へ発信する『主婦休みの日』も一生懸命頑張ってきた主婦が、゛良い加減にリフレッシュできる日”としてご家庭と社会へのメッセージになるといいですね。
私たちベアーズも微力ながら『主婦休みの日』を応援させていただきます。今日はありがとうございました。

≪対談を終えて≫
読者である主婦の気持ちを社会へ代弁し、「新しい社会インフラを作ることがメディアの役割である」とお話する植田さんはとても情熱的で素敵な方でした。
主婦が気兼ねなく一日リフレッシュできる環境を、社会全体で応援するプロジェクト『主婦休みの日』の幕開けです。
”女性の愛する心を応援する”私たちベアーズとしても、この『主婦休みの日』を社会の「笑顔とニッポンの元気の為」応援させていただきたいと思います。