株式会社ベネッセコーポレーション『bizmom(ビズマム)』編集長 糸藤 友子さん【その3】

対談
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ワークライフバランスインタビュー

糸藤 友子さん

「ワーキングマザーを応援します!!」

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株式会社ベネッセコーポレーション 『bizmom(ビズマム)』編集長
糸藤 友子さん

『bizmom(ビズマム)』2008年秋号

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ワークライフバランス - 『“ワークアンドワーク”でもいい?』

高橋
今や流行語となっている『ワークライフバランス』ですが、私はビズマムの中でワークライフバランスという言葉はあまりお見かけしたことのない気がします。
糸藤
『ワークライフバランス』は『仕事と生活の調和』、つまり仕事と生活を自分の人生、あるいは24時間の中にバランスして入れていくことですが、ワーキングマザーはそれを自然と身に付けています。時間の面でのバランスがもっと良くなればとは思います。
高橋
ワーキングマザーは意識しようがしまいが、もうすでにできているということですね。
糸藤
はい、その通りです!ワーキングマザーは自然にワークライフバランスを身につけています。
ただ、先ほど申し上げたように、男性のワークライフバランスがうまくいっていないために、女性のワークライフバランスが振り回される結果になることが心配です。これが現代の課題ではないでしょうか。
周囲の理解や働き方、特に企業が男性社員の働き方を変えようとしない限り、問題は根本的な解決をみないでしょう。大切なことは、やじろべい的な応急処置の繰り返しを企業がやっている間は、真のワークライフバランス体質の会社とは言えないと思います。ひとりひとりが、そして一社一社が“ワークライフバランス”することが大切なんです。
また、見方を変えれば家事はライフではなくて“ワーク”とも捉えられます。そうすると仕事・家事・育児をこなすワーキングマザーは“ワークアンドワーク”に近いと言えるかもしれません。事実、常にワークライフバランスを保ち続けるのは困難です。ですから、たとえば仕事が面白くて頑張りたいときには“ワークアンドワーク”し、逆に出産・育児の時期には“ライフアンドライフ”にするなど、一生という時間の中でその人の価値にあったワークライフバランスをすればよいと私は思います。常にワークとライフが50:50である必要がないと思いますし、シェアの分配比率を考えたワークライフバランスはいつか苦しみに繋がるのではないでしょうか。
高橋
なるほど。確かに意識しすぎて無理をすることがワークライフバランスではありません。そのように人生のプライオリティとライフイベントに合わせて調和を保つこともワークライフバランスの一つの形ですね。そう考えて人生設計をすればより楽しくなりますよね。
糸藤
でも“ワークアンドワーク”が続くと、人は疲れてしまうし、心が折れてしまうかもしれない。ですから私たちのように子育てがあるから仕事を頑張れるように、逆もまた然りですが、ライフをうまく織り交ぜていいスパイラルを作っていくことがやはり大事です。

糸藤さんの“ハッピーバランス” - 『元気に働くこと!!』

高橋
ご自身の“ハッピーバランス”の秘訣はいかかでしょうか
糸藤
『元気に働くこと』です。
私は本当に仕事が好きなんです。好きですよね、高橋さんも。
高橋
編集長ほどじゃないです(笑)。
糸藤
(笑)私の中では自分がいい心の状態、いいモチベーションで働いているときが、家庭生活もうまくいきます。人生の充実も感じられます。
高橋
よく分かります。例えば恋愛中心の人はそれがうまくいかないと仕事がダメになったり、他人に当たったりするのと同じで、私たちは仕事がベースなんですね(笑)。
糸藤
ですからこの対談を機にこれからは堂々と私は言い切ります!「私は仕事が好き。そのエネルギーで皆を幸せにするんだ。」って。それを変に後ろめたいと思うと潔くありませんね。やっぱり働くママは何事にも潔く!ですよね、高橋さん。
高橋
いやー、いつお会いしても私は編集長のその潔さに惚れなおします!
さて、そんな編集長の人生のパートナーでいらっしゃるご主人様はそれについてどうお考えなのでしょうか。
糸藤
実は夫が私の一番の理解者であり、応援団長なんです。仕事のアドバイスをくれるし、私が働くことによって、自分の選択肢が増えると彼自身が喜んで協力してくれます。 彼が家計の全てを負担して働かなくてもいいからこそ、お金や転職など自分の好きなようにやれるんです。ですから私に、「定年まで働け」とか言うんですよ(笑)。ありがたいです。
高橋
まさに!この妻にこの夫あり!ステキすぎます。さすが現代を足取り確かに愛情溢れて生き抜くお二人の発想力は素晴らしいですね。尊敬します。

今後の展望 - 『“産みやすく・育てやすく・働きやすい”世の中に』

高橋
最後に今後のビズマムの展望、そして糸藤さん個人の展望もお聞かせいただけますでしょうか。
糸藤
育児、そして仕事を当たり前のように選択できる世の中にしたいです。
“産みやすく育てやすく働きやすい”世の中になれば、今はマイノリティかもしれないけれど、活き活きと仕事も子育てもするワーキングマザーたちが増え、また、少子高齢化に悩む日本社会も変わってくると思います。
そのために、今働いている人たちにはもちろんですが、働きたい人たちも応援し支援していくつもりです。たとえ能力があっても、育児のため、あるいは育児期間中のブランクのために働くことを諦めている女性が沢山います。そんな現実もビズマムは社会にお伝えしていけたらと思っています。
高橋
確かに!PTAで難しい立場を積極的にこなしているような基礎能力の高い方や、家族に降りかかる様々な困難も家庭の太陽となって愛情を注ぎ続けられるような女性として魅力的な要素をお持ちの方も、「もう職場についていけないかも・・・」、「現代の日本社会に自分は何が出来るのか不安・・・」などと、残念なことに自ら自分を諦めている人もたくさんいらっしゃいますよね。是非、このような皆さんにこそ、ビズマムをお読みいただくことで、持ち前の“前向き思考”と“元気”を思い出して頂きたいですね。
糸藤
そのような方々が、楽しく仕事をできるよう踏み出せるきっかけ作りを、ビズマムというメディアを造り続けることで、糸藤自身のライフワークにしていきたいです。
≪対談を終えて≫

子供の頃を思い出してください。
笑っているお母さんと一緒にいて、自分も嬉しくなりませんでしたか。
また、ご結婚されている男性の方、奥様の明るい笑顔を見ると、自分も元気になりませんか。
形はどうあれ、女性の笑顔っていいな、と思われた経験は誰しもがお持ちでしょう。

そう、女性の笑顔は、家庭を明るくする太陽のようなものだと思います。
そしてインタビュー中にもありますように、糸藤さんや私のようなワーキングマザーにとって、働くことは“ハッピーバランス”の秘訣であり、笑顔の源なのです。

これからますます増えていくワーキングマザー。
いつまでもワーキングマザーたちが“家庭の太陽”でいられるよう、エールを贈るbizmom(ビズマム)と糸藤さんのご活躍を強く期待すると同時に、私たちベアーズも家事代行サービスで彼女たちの“ハッピーバランス”をサポートして参ります。

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