ワークライフバランスインタビュー

「人との出会いが、私を本気にさせてくれる」
第21回
株式会社リクルート エグゼクティブ エージェント
エグゼクティブコンサルタント
森本 千賀子さん
Profile
株式会社リクルート エグゼクティブ エージェント
エグゼクティブコンサルタント
ン。受賞したトロフィーは段ボール箱2箱分はあるという。特に、ベンチャー企業、株式公開予備軍の顧客情報・顧客リレーションが強み。過去の膨大な決定事例から、企業の成長フェーズにあわせた課題解決には定評があり、多くの経営者のよき相談役として公私を通じて頼りにされている。2012年4月より株式会社リクルートエグゼクティブエージェントに転籍。
プライベートでは、家族との時間を大事にする「妻」「母」の顔も持ち、「ビジネスパーソン」としての充実も含め”トライアングルハッピー”を目指す。「自分らしいワークライフバランス」を意識しつつも、仕事と家庭の両立を目指しながらエグゼクティブ層の採用支援、外部パートナー企業とのアライアンス推進などのミッションを遂行し、エグゼクティブコンサルタントとしての活動領域も広げている。現在、9歳と3歳と2男の母。
株式会社リクルートエグゼクティブエージェントHP
URL:http://www.recruit-ex.co.jp/
『リクルートエージェントNO.1営業ウーマンが教える 社長が欲しい「人財」!』(大和書房)
『No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本』(幻冬舎)
『HONKI SWITCH ON ~本気になれば人生が変わる~』(ナナ・コーポレートコミュニケーション)
なりたいイメージは、書くことで実現する
- 高橋:
- 千賀ちゃんはいま、リクルートエグゼクティブエージェントでどんな仕事をしているんですか。
- 森本:
自社の成長に寄与する人材を中途採用したい企業様と、もっと自分が輝ける場所を探して転職活動している求職者をマッチングしています。新卒でリクルートエージェント(現株式会社リクルートキャリア)に入社してから、仕事内容は基本的に変わっていません。- 高橋:
- 何年くらいこの仕事を?
- 森本:
- 今年でちょうど20年ですね。飽きもせず、ひたすらこの仕事一筋です(笑)。
- 高橋:
- 20年! どうしてその仕事に就こうと思ったのでしょうか。
- 森本:
- 理由は3つあります。1つ目は、就職活動し始めた時に、将来的に成長する分野に身を置きたいと思っていたものの、どの業界が今後伸びる可能性があるのか、わからなかったこと。大学の専攻も英語学科でしたし、経済や経営に関する知識が乏しかったんです。そこでまずは、いろいろな会社を見られる仕事に就きたいと思いました。だから、銀行や証券会社、保険会社なども受けていましたよ。そのなかで、リクルート、人材関係も候補に入れていました。
- 高橋:
- そうだったんですね。
- 森本:
- 2つ目は、父が、私が小学5年の時に、会社をやめて会社を立ち上げたことが関係しています。経営資源で、ヒト・モノ・カネと言いますが、父はヒトでものすごく苦労していたんです。まず良い人を採用するのが難しいし、採用してもすぐ辞めてしまう。こういう中小企業の経営者はたくさんいるんだろうな、と感じました。そこから、日本企業の97%を占める中小企業を支援する意味でも、ヒトに対してのソリューションを身につけることはきっと役に立つと思ったんです。
- 高橋:
- 小さな頃から、周りの人をよく見ていたんですね。
- 森本:
- 3つ目は、私が将来独立しようと決意した時に必要になるのは、お金と人脈だろうと思ったんですね。そこで、20代で社長と接点がもてるビジネスがいいと思いました。リクルートだと2年目、3年目でも、経営者と渡り合える力つき、その機会もあると聞いて……
- 高橋:
- ここしかない、と思ったんですね。
- 森本:
- はい。いつか私に、本当にやりたいことができた時、「森本を応援してやろう」という経営者とのネットワークがつくれる会社だと思ったんです。
- 高橋:
- それを、22歳の時点で考えているのがすごいですよね。以前、千賀ちゃんから聞いて、すごく印象に残っている言葉があるんです。若い人に向けて、会社に属しながら自由に生きられる秘訣を説明した時、「会社が私を離さない存在になることだ」と答えたんですよね。会社に「君の好きなようにやりなさい」と言われるくらいの実績と功績を残さないとダメだと。だから、20代は死に物狂いで、誰よりも努力をして実績を残す。30代は、20代で築いたブランドをもとに、さらに功績を残しながら、出産も含め、やりたいことにチャレンジする。それを聞いた時に、なんて計画性があるんだと感動しました。
- 森本:
- 本当にそう思ってやってるんですよ(笑)。
- 高橋:
- 私は22歳の時、何も考えてませんでしたね。ただ「世の中のために生きたい」という漠然とした希望はありましたが、いろんな会社を見て、自分が独立する時に応援してくれる社長と知り合っておこうとまでは……(笑)。
- 森本:
- 就職活動の時、面接官に向けてもそう言いました。当時はバブルの崩壊後で、4大卒の女性を採用する企業が少なかったんです。面接も、女子学生10人に対して、面接官が1人。持ち時間は1,2分しか与えられてない、というものでした。でも私は20分くらい使って、今話したようなことを語るものだから、他の皆さんの時間が、各自15秒くらいになってしまって(笑)。終わった後に文句を言われましたね(笑)。その頃から、「こうしたい」「なっていたい」と思うイメージを、言語化して書き記しているんですよ。
- 高橋:
- 今も?
- 森本:
- 今もです。書かないと実現しないから、必ず書きます。自分がありたい姿を、「私はこうしている」という進行形として書くんです。もうそこには、60歳の還暦のお祝いや、ビジネスを引退するときのイメージまでありますよ。
- 高橋:
- 還暦のお祝い(笑)。私が司会をやってるんじゃないかしら。
- 森本:
- そうです、そうです(笑)。Dear Tomorrow Family(注1)のメンバーが、みんな赤いドレスを着て並んでいるんです。ちゃんちゃんこじゃなくて、ドレスですよ。場所は、帝国ホテルで、ドアがバッと開くと、今まで関わった人が大勢集まってくれていて……そういうイメージがあるんです。
- 高橋:
- 何人くらい呼ぶんですか?
- 森本:
- できれば三千人くらい。
- 高橋:
- 三千人!! もう、それは18年後のために、大広間の予約をとっておいたほうがいいですね(笑)。
- 森本:
- とりあえず、今まで関わった人たちに、改めてお会いして御礼を言いたいんです。
- 高橋:
- そのイメージを実現するためのToDoリストなんかはあるんでしょうか。
- 森本:
- それはありませんね。イメージにたどり着くまでには色々なプロセスがあると思うので、行動を型にはめないようにしたいんです。その代わり、「私はいつもすべてのことに感謝している」「私は謙虚である」「私は気力、体力があふれている」など、どういう状態であるかというメッセージを具体的に書きだしあります。それはアファメーションカードといって、いつも持ち歩いています。
(注1)Dear Tomorrow Family_高橋ゆきが代表を務めるワーキングマザーの会員制コミュニティ。森本千賀子様はコアメンバーの一人。
