ワークライフバランスインタビュー
気の合う仲間と「Life is Good」をかたちにしていく
第24回
株式会社LIG
代表取締役社長 岩上貴洋さん
取締役副社長 吉原ゴウさん
同じ立場の、寄りかかれる人がいるという幸せ
- 高橋:
- ちょっとお話が戻るのですが、岩上さんは、以前会社のメンバーがいなくなってしまったのは、何が原因だったと考えていますか?
- 岩上:
- 一番問題だったのは、自分を捨てきれなかったことと、一人じゃ何もできないということをわかっていなかったことですね。チームで何かを達成するために何が必要かもわかっていなかった。それはもちろん今も課題ではあるのですが、もっとわかっていなかったですね。
- 高橋:
- それは何歳くらいのときですか?
- 岩上:
- 23歳のときですね。自分ひとりでなんでもできる、と思っていました。でもそれは間違いだったんです。自分は何が得意で、何ができなくて、将来において何を伸ばしたくて、逆に何を伸ばさなくていいか、すべてが曖昧でした。
- 高橋:
じゃあ今は自分が見えてきたと。
- 岩上:
- 今も全部見えているかというとそうではないのですが、当時はより見えてませんでしたね。これは余談ですが、結婚して子どもが生まれてから、あの時に自分ひとりじゃ何もできないということを学んでおいてよかったと思いました(笑)。家庭も、相手を尊重して、役割分担をしっかりしないとうまくいかないんですよね。
- 高橋:
- それはいい気づきでしたね(笑)。お二人のなかで、お父さん役・お母さん役みたいな分担はあるんですか?
- 吉原:
- 貴くんのほうが母性があるような気がする。
- 岩上:
- そうかもしれない。でもたまに育児放棄したくなるという(笑)。
- 吉原:
- それでおれに怒られるっていうね。ちゃんと面倒みろ!って(笑)。
- 高橋:
- 本当に仲がいいですね。お二人は、相手のどんなところをリスペクトしていますか?
- 岩上:
- そうですねえ、ゴウくんは視野が広くて、先を見越して動いているところがすごいですよね。あとやっぱり根本にあるのは、ゴウくんもづやくんも、一緒にいて楽しい。それが一番大事だと思います。もしLIGが会社としてうまくいかなくなって、3人でたこ焼き屋をやっても、きっと楽しいだろうなと思います。
- 高橋:
- ステキですね。じゃあ今度は、吉原さんからの告白タイムです(笑)。
- 吉原:
- 僕はすごくわがままで、ワンマンな部分もあります。でも、貴くんもづやも、僕を心から信頼してくれて、その上で「イエス」と返してくれるんです。その信頼があるから、たまに寄りかかることができる。僕は基本的に人に寄りかからないで生きてきましたが、二人にだけは唯一寄りかかれるんですよ。
- 高橋:
- 寄りかかりどころって、すごく重要ですよね。そのレベルから自分が変わっていくと思います。普通だったら、仕事でつらいときに、ビジネスパートナーに寄りかかることってできないじゃないですか。だからこそ、社長さんたちは銀座のクラブに行くわけです(笑)。でも、問題をわかちあう人に寄りかかれるのは一番幸せですよね。
- 吉原:
- そこがすごくありがたいと思っています。貴くんって心のキャパシティーがものすごく広くて深いんです。感情に揺れがないから、一緒にいて安心します。
- 高橋:
- なんだか、ユーミンの歌声みたいなα波が出てますよね。
- 岩上:
- えっ、ユーミンですか?
- 高橋:
- ユーミンの歌声って、聴くと力強くなれることもあれば、癒やされることも、物悲しくなることもある。聴く人の心の持ちようで、伝わり方が変わるんですよね。岩上さんと話しているとそんな感じがします。
- 岩上:
- あ、ありがとうございます(笑)。
- 高橋:
- では、岩上さんと吉原さんはお互いをパートナーとしてLIGという組織を率いているわけですが、お二人の考えるリーダーシップとはなんですか?
- 岩上:
- 一つ目は、長期的な視野で将来のことを考えて、ゴール地点を決められる人。次に、決めたところにチームを導いていける人。後押しできる人、とも言えるかもしれません。最後に、結果にシビアでいられる人、ですかね。
- 高橋:
- それって、吉原さんのことじゃ……(笑)。では、吉原さんは?
- 吉原:
難しいですが……最終的には責任感かな、と思います。全部おれが抱えてやるから、お前らついてこいって言える人。貴くんが言ったことは全部大事だと思いますが、最終的に責任感がなかったら誰もついてこないのかな、と。
- 高橋:
- なんだか意外でした。お二人が言うことのイメージが、あべこべだったというか。だからこそ、お二人そろって一つなんですね。
- 吉原:
- たしかに、会ってみたらイメージが逆だったとたまに言われます。イメージとしては、おれのほうがふざけていて、貴くんのほうがビシッとしてるというか。
- 高橋:
- でも、私は個人的に、吉原さんには責任というか、覚悟という言葉がすごく似合う人だと思っています。情熱と覚悟というテーマがピッタリですよね。
- 吉原:
- うわあ、うれしいな。じゃあおれは情熱と覚悟の人で、貴くんはユーミンね(笑)。
- 岩上:
- これ、喜んでいいのかな(笑)。