共働き夫婦が家事分担するコツは?理想の家事シェアを叶える3つの法則

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共働き夫婦の家事分担

2015年の国勢調査によると、今や共働き夫婦は全体の6割。妻と夫、どちらが仕事でどちらが家事かなんて、そんな役割分担はもはやナンセンス! 共に働き、共に家事をこなすことが、徐々に当たり前になりつつあります。

とはいえ、ふたを開けてみると、妻に家事負担が寄っているケースも多数。共働き夫婦が互いにストレスを溜めずに家事分担をするには、どうすればよいのでしょうか。家事分担の実態調査を取り上げて、理想の家事シェアを叶える3つの法則をご紹介します。

共働き夫婦の家事分担の割合に関する実態調査

共働き夫婦の割合は今や専業主婦世帯を上回り、夫婦は共に働き、共に家事をするのが当たり前の時代になりつつあります。しかし、本当に夫婦の家事負担はフェアになっているのでしょうか。実態調査のデータを見てみましょう。

2017年に大和ハウス工業が共働き夫婦の家事負担の割合について調査したアンケート結果でも、妻の認識している家事負担の割合は「夫1割:妻9割」(37.3%)がトップ。次点である「夫2割:妻8割」(22.3%)、「妻10割」(17.7%)、「夫3割 : 妻7割」(11.3%)を加えると、88.6%の妻が「自分が7割以上の家事を負担している」と回答。一方で同じ質問を夫側にしたところ、夫の1位は「夫3割:妻7割」(27.0%)でした。

2018年にも同社が全国の30代~40代の既婚男女のうち、配偶者と同居している9,700人を分析対象として家事分担率について調査を行っています(下記の表:『「現在の家事負担」の比率はだいたい何割くらいですか』を参照)。これによると、家事分担率は妻7割:夫3割以上の家庭が83.7%と8割を超えています。

ちなみに、夫の認識でも妻の家事分担率が高いのですが、妻側の認識では妻9割:夫1割とさらに妻の負担率が高くなっています。妻の家事分担率が7割以上と思っているのは、夫76%に対して妻91%と、15%以上の開きがあり、ほとんどの夫婦間の認識にズレが生じていることも明らかになりました。

(下記の表:『「現在の家事負担」の比率はだいたい何割くらいですか』を参照)が、家事分担率は妻7割:夫3割以上の家庭が83.7%と8割を超えています。

家事分担に関する妻のよくある不満

家事分担によくある不満は男女によって異なります。家事分担の不満を解決するためには、お互いの考えを理解することが大切です。妻側・夫側それぞれの具体的な不満内容に迫ってみると、3つのポイントが見えてきました。

①夫が家事分担の偏りに気付いていない

2017年に大和ハウス工業のアンケートでは約9割の妻が「自分が7割以上の家事を負担している」と回答しているように、多くの妻が夫婦の家事分担の偏りに不満を抱えています。

2018年3月、ママテナが独自に行ったアンケート「夫の満足度・妻の満足度について」によると、「家事分担の偏りについての不満」を持つ妻は、全体の55.6%。「家事分担の偏り」は夫に対しての不満の第一位にランクインしました。

また、量的な偏りだけでなく、評価的な偏りを感じているケースも実際には多くあります。家事代行サービスの利用を検討している顧客へ実施した調査では、大半の家事を妻がこなしているにもかかわらず、夫が家事の全体量を把握せず「自分は家事をやっている」と自己評価していたり、「イクメンですね」「いい旦那さんですね」などと、夫が他人から評価されることに対して怒りを覚えるといった声も上がりました。

②夫のやってくれた家事が妻の希望とズレている

夫の家事に対するこだわりが自分とずれているというのもよく耳にするケース。例えば、妻は家全体をキレイにしてほしくて掃除を頼んだのに、夫は風呂場を2時間近くかけてキレイにしていたとか、妻が料理にこだわりがあって献立は考えたいから料理だけは自分でやりたいと思っているのに、夫がいいことをしているつもりで料理をしてしまうなどです。
夫が良かれと思ってやってくれた家事が妻の希望とズレていた場合に、イライラにつながってしまうようです。

③言わないと夫が家事をやってくれない

夫にどんな家事をやってもらいたいのか言葉で伝えないと、家事をやってもらえないと言うのもよくある不満です。

・休日は家事でも掃除でも言ったことはやってくれるけど、平日はやらないし、そもそも妻が依頼しないとやってくれない
・言われるのを待つのではなく、自分で気づいて考えてやってほしい
・家事スキルが足りないから、一から細かく指示しないといけない
・夫に頼むが面倒くさくて自分でやってしまう

という声も多く聞かれました。

家事分担に関する夫のよくある不満

では、夫側はどのように思っているのでしょうか?

①妻に細かくダメ出しされる

自分のやった家事について妻からダメ出しをされると、やる気を削がれてしまう男性もいます。

・良かれと思ってやったことに不満を言われる
・手順や仕上がりに対してチェックが細かすぎる
・やり直しされたりすると気持ちも萎える

などなど、妻からマイナスポイントを指摘されることで、家事に対する苦手意識が高まってしまうことがあります。

②仕事で疲れているのに家事を求められる

仕事終わりで疲れて帰ってきているのに、妻からもっと家事をするよう求められてさらに疲労感が溜まるという声もあります。

・そんなに急いでやる必要もないと思って放っていたら「まだやってないの?!」と怒られる
・自分は家事も頑張っているつもりなのに、疲れているときまで家事のことで責められてつらい

このように、お互いに忙しく疲れているがゆえに、夫婦で家事が押し付け合いになってしまっている場合もあります。

③何をどうしたらいいかわからない

単純に家事スキルが足りなくて、家事について何をどうしたらいいのかわからないから協力できないケースもあります。

・ちょっと手を出すと、それは違う、そこじゃないなどと注意される
・何をどうしたらいいのか、そもそもわからない
・何もせずにいたら、言わないとやってくれない、考えて動けといわれる

これまで家事の経験が少なかった男性にとっては、妻にとっては簡単な家事も難しいもの。お互いの家事スキルに差があることを理解して、歩み寄る必要があります。

共働き夫婦が家事分担をしてチームになるための3つの法則

①「名もなき家事」を可視化する

夫婦が家事分担をする上で重要なのが「名もなき家事」の可視化です。

家事は、細かなタスクの集合体です。「ごみ捨て」と一言でいっても、ゴミを集積場にもっていくだけではなく、各部屋のゴミを集める、新聞紙を縛る、空き缶を洗ってつぶすなど、さまざまな工程が存在します。会社通勤時に毎朝ごみ捨てをしていると、ごみ捨てタスクはすべて自分がやっていると思いがちですが、実はその裏で相手がさまざまなタスクを済ませてくれているかもしれません。

必要なのは、「名もなき家事」も含めた、すべての家事の見える化です。どんな家事が必要なのか、表でも箇条書きでも良いので細かく書き出してみましょう。

そうすると、今まで自分が認識していなかった仕事があることに気づきます。そこに頻度と時間を明記すれば、その家事がどれくらい大変か分かりますよね。こうしてまずはタスクを洗い出し、今そのタスクを誰がしているのか、明確にすることが大事です。

②「家事マトリクス」で家事を仕分ける

誰にでも好きな家事・嫌いな家事、得意な家事・苦手な家事が存在します。それらをマトリクスでわけて分担表などで明確に区別していくのが「家事マトリクス」です。

たとえば、ある夫婦は食器洗浄機でお皿を洗うという家事を「お皿を台所に運ぶ」「お皿を食器洗浄機に入れる」「食器洗浄機から食器棚に食器を戻す」の3つの工程にわけています。

お皿を台所に運び、水桶につけるのは各自でやります。お皿を食器洗浄機に入れるのは妻の役目。食器が重ならないように入れるのにもテクニックが必要。汚れたものを長く放置しておきたくないので、入れる作業については奥さんは苦なくできるそうです。

一方で旦那さんは食器を食器洗浄機に入れるのは苦手ですが、キレイになった食器を食器棚に戻すのは苦ではないそう。奥さんは高さのある食器棚に戻すのが面倒なので、旦那さんに手伝ってもらえると相互にストレスなく食器管理ができるそうです。

こんな風に、食器洗い1つとっても、さまざまな工程があり、それぞれに好き嫌いや得意不得意、こだわるか、こだわらないかが存在します。家事マトリクスを作りながら家事を分担していくと、お互いにとってストレスの少ない仕分けができるでしょう。

お互いがとても苦手で嫌いな家事は、家事代行サービスやハウスクリーニングに外注してしまうという選択肢もあります。どちらかに押し付け合って不満を溜めるよりも、外注してしまったほうが二人とも快適に過ごせる場合があります。

③相手の家事に細かく指示を出さない

本当にしっかり家事分担をしたいなら、相手に家事を任せきる覚悟を持つことも大事です。家事を任せるたびに細かく指示をしていたら、相手にとって「やらされ仕事」になり、モチベーションが下がります。裁量権がない仕事を相手は進んでしてくれません。

そして、都度指示することは、指示する側にとっても疲れること。自分で決めたルールにこだわっていると双方が不幸になるかもしれません。

相手に家事を任せるときは、全権を委譲するつもりでいたほうが円満になります。また、子育ても同じことが言えるでしょう。母親に比べて不慣れな部分もあるかと思いますが、一度は旦那さんに任せきることで気づきが与えられます。

理想の家事分担比率は、実は遠くない!

理想の家事分担については、先述の大和ハウス工業に面白い調査結果があります。
夫側からみた現在の家事分担比率の平均は「夫2.5割:妻7.5割」ですが、理想の比率を聞くと、「夫3.3割:妻6.7割」であと約1割のシェア比率で「理想」に近づくことがわかりました。

一方、妻側からみた現状の家事分担比率は「夫1.4割:妻8.6割」、理想の比率は「夫3.0割:妻7.0割」です。理想とのギャップは約1.6割と夫側よりやや高いものの、お互いにあと1割ほど歩み寄りたい気持ちであることが分かりました。

1割ちょっとの家事シェアであれば、お互いに負担は大きくはないはず。実はもう少しの努力で、家事分担の不満が軽減され、理想の家族、幸せ夫婦に近づくのです。
敵対関係ではなく、家族というひとつのチームとして、一体感をもっていくために、ぜひ共働き夫婦が効率よくお互い満足するコツ、これまで紹介した3つの法則を試してみてください。

共働き夫婦がもっと家事をラクにする方法4つ

夫婦共に正社員もしくはフルタイムで働いている場合、たまに双方の仕事が忙しくなり家事が思うようにできなくなることがあります。そうなると、次第に家の中が散らかってきたり、いろいろなところが汚れてきたりします。そこで、そのような場合に備えて、「もっと家事をラクにする方法」を考えていきましょう。

1.ネットスーパーを利用する

夫婦で共働きをしている場合、外へ買い物に行く時間すら惜しくなるほど忙しいときもあります。そのような場合、食材や日用品の買い物はネットスーパーを利用すると便利です。ネットスーパーとは、スマホやパソコンの画面を使って実際のスーパーから商品を注文して、指定した日にそれを届けてもらうシステムです。商品は店頭に並べられているのと同じものを購入できますので、その日の値下げ商品を店頭と同じ価格で買うことも可能です。

また、ネットスーパーの他にも定期的に食材を宅配するサービス(オイシックス、生協など)もあります。このサービスでは、一般のスーパーで買うことができないような珍しいものや質の高い食材を販売していることがあります。また、食材の定期登録もあり、毎回注文する手間がかからないなどの便利な使い方もありますので積極的に利用してみてはいかがでしょう。

このようなサービスをいくつか併用して使うと、外へ買い物に行く回数がかなり少なくなります。共働きで忙しい場合はぜひ利用を検討してみましょう。

2.食事は作り置きする

毎日の食事作りは労力と時間を必要とします。そこで、食事は時間があるときに作り置きしておくと便利です。いつも何か冷蔵庫におかずが入っていると、忙しくて食事を作る時間があまりないときでもそのおかずを利用することができます。このような作り置きのおかず(常備菜)を作るときは、日持ちするものを考えて作りましょう。また、栄養価を考えたバランスの良い常備菜を用意しておくと、家族の健康にも役に立ちます。さらにお弁当のおかずとして利用すれば、お金の節約にもなります。

常備菜作りをいつやるかを家族で決めて、週末などにまとめて作っている家庭もあります。おかずのアイデアを出しながら協力し合うことで、家族の良いコミュニケーションにもなりますので、ぜひ実行してみてください。

3.便利な家電を利用する

家事をラクにするには、便利な時短家電を進んで利用してみてはいかがでしょう。乾燥機付き全自動洗濯機や食器洗い乾燥機、ロボット型掃除機、自動調理器などを有効活用することで、今までよりもさらにゆとりある生活を送ることができるようになります。

この中でも特におすすめしたいのは、食材を入れてボタンを押し、後は待つだけで料理が一品出来上がる炊飯器型タイプの自動調理器です。これを利用すれば料理が苦手という人でも、簡単に美味しい煮込み料理を作ることができるため、レパートリーが増えて料理好きになる可能性も出てきます。また、この家電が調理している間は火加減や調理時間などを気にしなくてもいいので、その時間を使って他の家事をすることもできます。

このように家事の負担を軽減させたい共働き夫婦にとって、時短家電は今や必需品です。ここで紹介した家電以外にも便利な時短家電はありますので、何を導入するかを家族で話し合ってみてはいかがでしょう。

4.家事代行サービスを頼む

自分たちだけでいくら分担をしながら家事を頑張っても、なかなか完璧と思うところまでできないことがあります。そのようなときは、プロの家事代行サービスに頼むのもおすすめです。家事代行サービスは、仕事が忙しいときや、家事ではなく他に時間を優先して使いたいとき、妊娠中のつわりでつらいときなどに利用すると便利です。

自分たちに代わって普段の家事を代行してもらえるので、気持ちにも余裕が生まれてきます。家事に追われない毎日を過ごすことで家族全員がゆっくりとした自由な時間を過ごすことができ、家庭が明るくなり、楽しい会話も増えてくるでしょう。

そこで、実際に家事代行サービスの「ベアーズ」を利用した人の声を紹介します。

「普段忘れているようなちょっとした場所の拭き掃除が嬉しいです。娘の写真なども清掃中に拭いてくれたり、床掃除の際はサッシまでさっと拭いてくれたり非常に満足です。」

引用元:https://www.happy-bears.com/kaji/

「ちゃきちゃきとした手際がの良さで、お話をしながらもいろいろな個所をキレイにしていただき感謝しています。引き続き、よろしくお願いします。」

引用元:https://www.happy-bears.com/kaji/

このように家事代行サービスを利用した人は、プロの手際の良さと細かい心遣いにかなり感謝しています。毎日の家事が苦痛に感じている場合や家事をする時間が無いという場合は、このように家事代行サービスを賢く利用するといいでしょう。

【参考】家事代行サービス 初回お試しプラン/株式会社ベアーズ

まとめ:まずは家事の見える化を始めてみよう

家事分担に関する実態データから、実はあと少しの歩み寄りでお互いに理想の家事シェア比率を実現できることがわかりました。チームとして快適に家事をこなすには、家事の可視化、家事マトリクスの作成、家事を相手に任せ切る覚悟の3点が大切です。

幸せ夫婦に近づくために、必要なのは正しい理解とあと少しの努力。家族というひとつのチームで、我が家を快適な空間に変え、笑顔あふれる場にしていきましょう。

【参考】
大和ハウス工業株式会社「TRY家コラム」
livedoorNEWS「妻が言えない夫への不満ランキング 家事分担への偏りが1位」
ウーマンエキサイト「【妻たちのホンネ】夫に対して言いたいけど言えない不満第1位は」

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