どうしたらいい?「気付かない」「言わないとやらない」家族の家事
共働き
更新日:2020.09.13

夫婦の家事分担の話題になるとよく「夫/妻が細かい家事に気付かない。言わないとやらない。」という話題を目にします。
育ってきた環境などによって自宅の清潔感が気になる度合いや、行き届いていない家事に気付ける度合いが変わってきます。
どうしたら気付くことができるのか、仕事として家事を行う家事代行サービスのスタッフに聞いてみました。
「家事初心者」が細かい家事に気付けるようになった理由
家事代行サービスの仕事を始めるまでほとんど家事をしたことがなかったYさん。
始めに苦労したのが、掃除のときに「汚れに気付くこと」でした。 ホテル清掃の研修で汚れに気付けるように
高級ホテルでの清掃研修に行った時のこと。それまでYさんにとって汚れではなかったものが汚れになりました。
鏡についた水滴の跡、床に落ちた髪の毛一本など、気付けるようになるまで何度もやり直しを告げられました。
「まだ汚れているよ、と言われてもわからないんです。それが汚れだって思ってなかったので。もうキレイじゃんって。今だから言えるんですけど、家事をしてもイマイチな人ってそういう感覚なんだと思います。」
汚れに気付けるようになると、掃除のスキルはどんどん上がっていきました。
手順はマニュアルに従って進めるので、やり残しはありません。
「こんな細かいところまでやるもんなんだと衝撃をうけました。ただ、知っていればなんてことないんです。その汚れを取る必要性と、どこをどのようにやるのか明確な指示があれば、掃除初心者の私でも高品質の掃除ができるようになったんです。」 お客様のお宅で細かい家事を認識
その後実際に家事代行サービスに入るようになると、家事の中にはただ掃除をして綺麗にするこ以外にも求められることがたくさんることに気が付きます。
「はじめのころ、掃除だけばっちり手順通りにやっていたんです。そしたらお客様に、電球が切れていたら交換して、ティッシュが切れていたら補充してよ、気付いてるでしょ、と言われてしまったことがあって。」
「ひとつの部屋を掃除すると一通り見るわけですから、足りないものがあったら目には入っているはずなんです。でも、足りないから補充しないと、って思考にならなかった。手を加えなきゃいけないものって認識してなかったんです。」
自宅では部屋の中で何かが欠けていてもなんとなくそのままにしてしまう習慣のあったYさん。
そのお客様は足りないものがあると、すぐ補充する習慣があるお客様でした。
「自分がくつろぐ空間はこうあってほしいって理想を強く持っていらっしゃるんですよね。部屋の中で不自由がないよう、欠けているものがないようにするのがそのお客様の理想。だとすると、それを実現するためにはどう行動したらいいか、想像して動くようになりました。」
それからは目に入ったものがお客様の理想の状態に対してどうなのか考え、足りないものがあったら補充するなど、お客様の理想の状態を想像して、先読みして行動できるようになりました。
「やっぱり全部気付けるようになるには時間がかかりました。よく「家族が細かい家事に気付かない」って聞きますけど、慣れていないと気付けないですよ。私は仕事だからお客様に満足していただくためにできるようにならなきゃって強制力が働きましたけど、これが家庭内とかだったら使命感持ってやるのって大変ですよね。それこそ家事の研修とか受けないと、まずやらなきゃいけないことを認識するのって難しいと思います。」
細かい家事に気付けるようになる3つのポイント
Yさんの場合、家事をすることがなかった習慣から「気付けない家事」がたくさんありました。そもそも、「やらなければならないこと」として認識していなかったのです。
ご家族が、家事を分担する気はあるけれど思ったようにこなせていない場合は、その状態なのかもしれません。
Yさんがそれまで気付けなかった家事に気付けるようになったのは、以下の3点を認識できるようになったからです。
- その汚れを取る(家事をする)必要性
- どこを(なにを)どのようにやるのか
- お客様(=そこで過ごす人)の理想の状態からやるべきことを想像する
例えばホテルの清掃の場合、このようになります。
・その汚れを取る(家事をする)必要性 →宿泊客がくつろげるように、不快の要素になるものは一泊ごと(チェックアウトごと)に全て排除しなければならない
・どこを(なにを)どのようにやるのか →マニュアルに従って効率よく行う
・お客様(=そこで過ごす人)の理想の状態からやるべきことを想像する →旅の疲れを癒し、贅沢なくつろぎの空間を堪能してもらうため、仕上がりに妥協しない
これを自分の家庭の家事に当てはめたとき、分担する家族で認識が共通であれば、家事分担はうまくいくでしょう。
例えば、家事をする必要性の認識が違えば、家事に取り組む姿勢に差が生じ、お互いの不満に繋がってしまいます。
どこを(なにを)どのようにやるのかが共通化されていないと、やると認識していないところが抜けてしまう、ということが起こります。
一緒に過ごす人の理想の状態からやるべきことを想像して先読みで行動できないと、「気付いてくれない」の気持ちに繋がってしまいます。
家事をする必要性と理想の状態は家庭内、家事を分担する人同士でよく話し合い、なぜ家事をしなければならないのか、家をどんな状態にしたいのか、どのくらいの頻度でやるのか、認識をすり合わせておくのがポイントです。
おしゃれな空間にしたい妻、寝る空間さえ整っていればいい夫、など、家事を必要とする度合いと、それによって叶う理想の状態があまりにも離れている場合もあると思います。
なんとなく過ごせているうちはいいのですが、不満が溜まってきたらどちらに合わせるのか、お互いを尊重するのか、どこで折り合いをつけるのか話し合うのがいいでしょう。
どこを(なにを)どのようにやるかはお互いのやり方があるので、やり方を共有してお互いに足りない部分を補完できるようになるのが理想です。
ただし、こだわりがあると相手の話を素直に聞けなかったり、「どうしてそのくらいのこともわからないのか」「そこまでやるのはこだわりすぎだ」とイライラしてしまうことがあります。
そんな時は、家事の本や動画を参考に、学ぶ姿勢で一緒に確認するのはおすすめな方法です。
また、家事代行サービスを頼むとやり残しのないように手順化された家事を間近で見ることができるので、お手本として非常に参考になります。
分担の方法は家事ごとや曜日ごともいいですし、どうしてもこだわりが強いところや苦手な部分は家族で納得できる形で調整するといいでしょう。

家事の意識に差があると、家事分担をするうえで不満の原因になることが多いです。
不満が積もって疲れてくると、悲しいことに分担をしっかりやってもらえないのは相手の意地悪に感じてしまうこともあると思います。
細かい家事に気付けないのは決して意地悪などではなく、理想とする状態が違っていたり、そもそものスキルが足りないことが多いのです。
家族、夫婦でよく話し合って、なにが課題なのか洗い出し、納得できる家事分担のルールを決めたいですね。
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