エアコンのカビ掃除・予防とは?【プロから学ぶ掃除方法】
エアコン掃除
更新日:2022.05.27

梅雨から夏も大活躍するエアコン。使い始めの際、においが気になりませんか?エアコンのにおいの原因の一つは内部のカビだと言われています。なぜエアコン内部にカビが生えるのか、予防のコツは何かといった疑問点を、プロの掃除方法から学んでみましょう。
目次
エアコンのカビ発生、理由は機械内部の水分
そもそも、なぜエアコン内部はカビが発生しやすいのでしょうか?
実は、家庭用エアコンの内部は湿気がたまりやすい構造になっているのだそうです。とくに夏の除湿や冷房運転中は、エアコン内部に水滴がたくさんでき、機械内で湿気が上昇します。そして水分や湿気に、エアコン内部のホコリに付着して、カビがどんどん増えていくと言われているのです。
カビの繁殖が活発になると言われる温度は20~30度。これは、運転直後のエアコン内部の温度に近いそうですから、カビが増える条件はそろっているといってもいいでしょう。
また、エアコン内部のカビは冬を越して繁殖を続けます。梅雨時になってエアコンを使うときには「内部のカビが残ったまま」ということも多く、エアコンのにおいが気になる場合は、カビの繁殖を疑ってみましょう。
エアコン掃除することのメリット
エアコンからの空気がきれいになり、におい減少が期待できる
エアコン掃除の大きなメリットは、空気のにおい軽減も期待できること。エアコンのにおいの原因であるカビをきれいに掃除すれば、すっきりした空気が吹き出し口から出てきますから、におい対策になります。
エアコン掃除をしてもにおいが気になると言う場合は、室内の空気の入れ替えてみてはいかがでしょうか。
エアコンが空気を冷やす仕組みは、室内の空気を機会内に吸い込んで、熱を下げて吐き出すとされていますから、室内にタバコや調理のにおいが残っていれば、エアコンの空気にもにおいが残りやすいというわけですね。
どうしても気になる時は、エアコンを運転しながら、しばらく窓を開け換気をしてみるのがおすすめです。
アレルゲン対策にもなる!?
エアコンの内部に繁殖したカビは、吹き出し口から室内に出ていきます。この状態のまま掃除をしないでエアコンと使い続けると、室内にはどんどんカビやホコリ、いやなにおいが広がっていきます。
カビやホコリは、アレルギーの原因になるとも言われていますので要注意です。小さなお子さんがいるご家庭はもちろん、大人だけの家族でも要注意です。これまでアレルギー症状が出たことがなくても新しく発症する可能性も考えられますから、エアコン内部のカビ掃除は定期的にするといいですね。
エアコンの消費電力の減少も期待できる!
家電は、長年使っているといろいろなトラブルが起きやすくなります。エアコンの場合、内部にたまった小さなゴミやカビが原因でフィルターやアルミフィンが詰まることがあります。
冷風が出るべき場所が詰まっていると風が出にくくなり、室温が下がりませんから、エアコンは通常以上にがんばって稼働することになります。消費電力も上がりやすいのです。
また、モーターやファンも過剰に働かねばならず、そのまま使い続けているとエアコンが壊れることもあります。低コストで長く使い続けたいのなら、こまめなエアコン掃除が必要ですね。
カビは予防することができるの?
では、エアコン内部のカビを予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
おすすめは、エアコン運転後に20~30分間ほど、送風をすることです。エアコンは機械の構造上、完璧に内部のカビを予防することは困難ですが、湿気を取り除くことで、かなりのカビ予防が期待できるでしょう。
冷房や除湿運転をした後は内部に湿気がこもっていますので、送風機能を使って内部に風邪を送り込み続けることで、乾燥させるのです。
エアコンの機種によっては送風モードがついていないものがありますが、この場合は、内部乾燥機能がついていることが多いので、取扱説明書をチェックしましょう。
どちらもない場合は、エアコンを暖房に切り替えて、設定温度を1度あげて運転すると、温かくて乾いた空気が機械内部を通って乾燥ができると言われています。
室外機の役目って何?掃除が必要?日よけは必須?
エアコンが空気を冷やす仕組みの中で、重要なのが室外機です。室内にあるエアコンは空気を取り込んで、パイプを経由して室外機にいきます。このパイプ通過中に冷媒が働いて、熱交換器から室外に暖かい空気が排出され、冷やされた空気だけが室内に戻って冷房ができるのです。
つまり、室外機は室内の熱を排出する大事な部分。室外機がこわれたら、冷房も暖房もできないことになりますね。
室外機のお手入れは、外部の拭き掃除と片付けです。
室外機の周辺にいろいろなものが置いてあったり汚れていたりすると、熱の排出がしにくくなります。スッキリと片付けておきましょう。
また、室外機が直射日光を浴びる場所にある場合は、日よけで影を作るのがおすすめ。日光で室外機本体が熱を持ってしまうと、空気の熱の排出効率が悪くなると言われていますので気をつけてください。
エアコンのカビ取り掃除の手順
部屋の空気になんとなくカビ臭を感じるときは、エアコン内にカビが発生しているのかもしれません。そのような場合は、すぐにでもエアコンの掃除をしましょう。それでは、カビ対策にもなるエアコンのカビ取り掃除の手順を紹介します。
1.フィルターを掃除する
まずは、エアコンの電源を切り、プラグを抜いて窓を開けることからスタートします。
次にエアコンのフロントパネルを開けて、エアコンのフィルターを取り外します。フィルターに付いているホコリは、フィルターの表面に掃除機をあてて吸い込みましょう。
フィルターの汚れが酷い場合は、水洗いをしてホコリや汚れを落とします。シャワーをフィルターの裏面からあてて、水の勢いでホコリを洗い流します。
フィルターがキレイになったら、乾いたタオルでやさしく拭き取り、完全に乾くまで日陰で乾かしましょう。
2.吹き出し口を掃除する
吹き出し口(ルーバー)はホコリが溜まりやすく、結露も付きやすいため、特にカビが発生することが多い場所です。室内にカビの胞子をまき散らさないためにも、できるだけ小まめに掃除をしておきましょう。
メーカーによっては、家庭でも簡単にルーバーの取り外しができるものもあります。そのような場合は、ルーバーを取り外せば掃除が簡単になります。
まずは掃除用ブラシなどで、手の届く範囲でルーバーとその周囲のホコリを落とします。次に小さな布を巻き付けた割りばしに中性洗剤を付けて固く絞り、ルーバーの細部まで丁寧に掃除しましょう。
汚れを取り終えたら、最後に固く絞った濡れタオルで吹き出し口に残った洗剤をキレイに拭き取り、ルーバーを元の状態に戻します。
3.フィンを掃除する
フィンは薄い金属板が並んでいる部分で、ここで空気の温度を変えています。ここも結露とカビが発生しやすい場所です。フィンに使われている金属板は柔らかく、少しの力でも簡単に曲がってしまうため、フィンを掃除する際は慎重に行いましょう。
フィンの表面に付着しているホコリは、掃除機の先端をブラシにして、フィンを傷つけないように注意しながら吸い取ります。掃除機で取れなかったホコリは、歯ブラシや爪楊枝などで丁寧に取り除きましょう。
フィンに付着した汚れやカビは、エアコン用の洗浄スプレーを使えば汚れを落とすことができます。スプレーを使う場合は、液が垂れて床に落ちるのを防ぎ、電装部(センサーや電子基板など)を守るためにも、エアコン周辺を養生する必要があります。ラップと養生テープなどを使って電装部を保護し、垂れてくる液体を受け止めることができるようにエアコンの下部に大きなビニール袋などを固定しておきましょう。
養生が終わったら、スプレーをフィン全体にまんべんなく吹きかけます。汚れた洗浄液は排水管から排出され、しばらく放置したら終了です。その後はしっかりと乾燥させましょう。
4.送風ファンを掃除する
送風ファンとは、ルーバーの奥にある筒状の部品です。これが回転して、室内に快適な風を送り出します。送風ファンもまたホコリや汚れが溜まりやすく、汚れた状態であれば、そこから出される空気も汚れてしまうため、定期的に掃除したい部分です。
送風ファンは基本的に一般の人が取り出すことはできません。そのため、手の届く範囲で行うようにしましょう。
ファンを掃除する場合も、ファン専用洗浄スプレーを使うと便利です。ファン専用洗浄スプレーをつかうときもフィンの掃除と同様の養生が必要です。ファンをゆっくりと手で回しながらスプレーのノズルをファンに向けて十分にスプレーしましょう。そのまま20~30分放置し、その後ファン専用リンスをスプレーします。最後は乾いたタオルで軽く水気を拭き取ってしっかりと乾燥させましょう。
このようにエアコンのフィンとファンの掃除は難易度が高いため、無理をせずにプロのエアコンクリーニングに依頼するのもおすすめです。
個人のエアコン清掃とプロのクリーニングの違いは?
エアコン清掃の重要性がわかったら、こまめなお掃除がおすすめです。
まず、セルフクリーニングとして、取りはずしができる外部カバーやフィルターのお掃除をしましょう。どちらも拭き掃除や水洗いで十分でしょう。外部カバーにはカビがついていることもありますので、洗った後はしっかりと乾燥させてください。
しかし、これだけではエアコン内部にあるカビを除去するのは難しいと言えます。
そこで、プロのハウスクリーニングに依頼して、エアコン内部をしっかり分解洗浄してもらうのがおすすめです。
業者によって細かな違いはあるかもしれませんが、独自の高圧洗浄技術で、内部のカビやホコリにアタック。エアコンを分解して洗浄しますから、細かい部分まで洗浄してもらえます。
また、抗菌・防カビ処理、室外機洗浄などを頼めるオプションもあるようです。
まとめ
エアコンのカビが気になって自分で掃除してみたものの、きれいになったのか、よくわからないなんてこともあると思います。どうしてもエアコンのにおいが気になるという時は、プロのハウスクリーニングにお願いしてみると、予想以上にきれいになるかも知れません。年に1~2回、冬前と夏前、梅雨に入る前などのタイミングでクリーニングしてもらえば、心地よい空気で快適に過ごせそうです。
その他エアコンクリーニング・専門清掃関連の参考ページ:
・エアコンに潜むカビが病気の原因になる?汚れた内部の効果的な掃除方法は?
・どちらを選ぶ?自分でやる簡単エアコン掃除VS専門業者クリーニング
・【秋掃除のススメ】暖房を使い始める前に、しっかりエアコン掃除をして快適な空調を
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