雑巾がけなどの家事は産後すぐに行ってもいいの?

床掃除


出産を終えた体は、思った以上に疲弊しています。産後1ヶ月半から2ヶ月までの「産褥期」は、体を回復させるために負担のない生活をする必要があります。そのため、雑巾がけなど全身を動かす家事は控えた方がよいとされています。

困ったときは、家事代行サービスなど外部サービスに依頼するのも一つの手です。

体が妊娠前の状態に回復するまでは安静に

産後すぐから、大体2ヶ月までの時期は、ママの体を妊娠前の状態に戻すために無理しないで生活する産褥期と呼ばれる時期です。産婦人科でも、産褥期は安静にして負担のかかった子宮や骨盤をスムーズに元通りに戻すように指導されています。

産後2週間目位までは、子宮が元の大きさに戻ろうとして収縮を繰り返したり、悪露という分泌物が排出されたりして、程度に個人差はありますが下腹部痛や貧血、めまいなどが頻繁に起こります。この時期は育児だけに専念して、体を動かす家事などは極力やらないようにして布団を敷いたままにし、横になって体を休めなければなりません。

産後3週間目に入ると、少しずつ体の回復も進んでくるので食器洗いや洗濯など簡単で体の負担が少ない家事は徐々に始めてもよいとされています。しかし、まだ無理をすると体調が崩れてしまうこともあるので、重たいものを持つことや雑巾がけなど全身を動かす家事は控えたほうがよいのです。

産後1ヶ月程度経つと、掃除機をかけるなど少しずつ家事の範囲を広げていきます。産婦人科での1ヶ月検診で異常がないようなら、そろそろ雑巾がけなど妊娠前と同じような感じで家事を行っていきます。

産後すぐに雑巾がけなどで動くと体と心に大きなダメージを受けるリスクがある

産後無理して雑巾がけなどの家事を行うと、ママの体と心は大きなダメージを受けるリスクが高まります。

お腹の中で、赤ちゃんが育つにつれて出産前の実に2倍から2.5倍も子宮が大きく膨らみます。更に、出産時には骨盤が大きく広がって緩み、不安定な状態になる上に赤ちゃんの重みでかなり負担もかかっています。産後子宮や骨盤は1ヶ月程かかって出産前の状態に戻るため、無理に体を動かすと子宮や骨盤の戻りが遅くなります。

産後は1週間位、悪露(おろ)といってお腹の中で赤ちゃんをカバーしてくれた分泌液などが、赤黒い血液のような感じで排出されています。通常は1週間で収まる悪露が、体を動かしたことでなかなか止まらずに体の回復が遅れることがあるのです。

その結果、子宮復古不全が起こり感染症にかかって発熱する場合や、腹痛に苦しむ場合もあります。子宮復古不全になると、抗生剤の投与や子宮内の悪露を除去する治療が必要となるケースもあるのです。

そして、産後は骨盤ベルトを締めて安静にしていないとベルトが緩んで骨盤が広がったままになり、下半身が以前より横に大きくなってしまうリスクもあるのです。

また、産後休まないと慣れない育児と家事で心も追い詰められ、産後うつになってしまう可能性もあるのです。

産後は無理しないで家事代行サービスなども利用

出産して身軽になると、妊娠中はできなかった家事がやっとできるという気持ちになるものです。
しかし、妊娠中に子宮や骨盤などに大きな負荷がかかっていたので、出産後体は思った以上に疲弊しています。ここで無理をして家事をこなすと、産後の肥立ちが悪くなりその後の生活に支障をきたす場合もあります。産褥期が終わるまでは、できるだけ安静に過ごす必要があります。

その間の家事は、ご主人や両親など家族や親戚に協力してもらうのが望ましいですが、家庭の事情でなかなか協力が得られない場合もあるでしょう。

んな時は、家事代行サービスを利用してみるのも良い方法の一つです。
家事に長けたスタッフが効率よく掃除などを行ってくれるので、免疫力の低い赤ちゃんが過ごす部屋もキレイに、清潔に保つことができます。費用はかかりますが、キレイな部屋で過ごすことで気持ちもゆったりとして、産後うつ予防にも繋がるため検討してみましょう。

(まとめ)雑巾がけなどの家事は産後すぐに行ってもいいの?

  1. 産後は産褥期を過ぎるまでは雑巾がけは控える。
    産後の体は、妊娠出産でかなり負荷がかかって疲れています。産後は雑巾がけなどの家事は控え、産褥期を過ぎるまでは体に負担がかからないように、安静にしていることが大事です。

  2. 体が妊娠前の状態に回復するまでは安静に。
    産後2ヶ月位は産褥期と呼ばれ、妊娠前の状態に体を回復させるために必要な期間です。家事は軽いものから少しずつ始め、雑巾がけは1ヶ月後くらいに検診で異常がなければ行ってもよいでしょう。

  3. 産後すぐに雑巾がけなどで動くと体と心が大きなダメージを受けるリスクがある。
    体が妊娠前に戻るには、約2ヶ月かかります。産後すぐに雑巾がけなどで体を動かすと、産後の肥立ちが悪くなって体調を崩したり、病気を発症したりして治療が必要となるリスクが高まることがあります。

  4. 産後は無理しないで家事代行サービスなども利用。
    産褥期は家族などに家事をサポートしてもらい、ゆったりと体を休めることが大事です。 家族の協力が得られない場合は、自分で無理してやるのではなく家事代行サービスなどに頼りましょう。

Related -関連記事-

Pick Up -ピックアップ-

ページ上部へ戻る