高橋ゆき ウェルビーイングインタビュー

ウェルビーイング(Well-being)の
風を吹かすのは
私たちひとりひとり

Q.ウェルビーイングとはそもそも何でしょうか?

ウェルビーイング というと一般的に「幸福」という言葉で表されますが、心身と社会的な健康を意味する概念で、 満足した生活を送れる状態、多面的な幸せを意味します。 なんとなく抽象的な概念や、自分事とは少し遠い、国家や企業が主導していく話だと感じている人もいるかもしれません。

私の持論としては、ウェルビーイング というのは「誰かが与えてくれるもの」でも「待っているもの」でもなく、ひとりひとりの「自分事の話」だと思っています。

ちなみに、ウェルビーイングという言葉は1946年の世界保健機関(WHO)設立の際に生まれたと様々な文献でも言われています。

Q.ウェルビーイングが、今注目されている理由は何でしょうか?

未曾有の天災やコロナウイルス(COVID-19)の出現などで、世の中の価値観は大きく変わりました。

一瞬にして様々なものが変わる。永遠なものはない。
日々どうやって過ごし、どこに時間とお金を費やすべきか、誰もが生き方の価値観、時間の使い方、お金の使い方を改めて考える時代になりました。
物質的なものだけでは決して満足できない、心が満たされることこそが幸せとなる、そんな時代です。

人は誰でも自分の幸せの尺度を持っています。
「私にとって幸せとは何なのか?」誰もが自分自身に問い、「どうすれば自分らしい暮らしを手にできるか、自分にしかできない本当に大切なこととは何か」を真剣に考え始めました。

同様に昨今注目されている言葉に、「SDGs」「持続可能性」「サステイナブル」「サステイナビリティ」がありますが、まさにひとりひとりの幸福度を上げていくということが、人類が今後「サステイナブル」に生きていくうえで必要で、まさにそれが今問われているタイミングなのではないでしょうか?

Q.ウェルビーイングは、日本でも進んでいるんでしょうか?

世界が進んでいる先行事例も多々ありますが、ウェルビーイングの第一人者と言われる人たちは様々な分野に生まれつつあると思います。

日本の学術的な分野では、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司先生がそのお一人です。

企業という領域では、株式会社日立製作所のフェローであり、幸福度測定アプリを運営する株式会社ハピネスプラネットCEOの矢野和男さん、元ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 取締役人事総務本部長で、現在は私と共にウェルビーイング普及の活動をしている株式会社YeeY代表の島田由香さんがあげられます。企業のしかも人事というフィールドから、企業が人をどのように想い、「人を仕事にはめる」のではなく、「人に仕事をはめる」のかを検証する動きが生まれはじめました。
新しい人と企業の形をつくるというところで、この御三方の活動の功績は非常に大きいと感じています。

そして最も遅れているであろうと言われてきた政府行政というところでも、大変ありがたいことにこの1年の間に前段の先生や企業の人材を考える人たちに追い付け追い越せの勢いで、ウェルビーイングをテーマとした活動や研究が多数見られはじめています。

Q.ウェルビーイングについてもう少し具体的に教えてもらえますか?

私が考えるウェルビーイングは、特に各ご家庭の暮らしをみてきた私の職業的立場から申し上げると、“Well-being from Your Home”という言葉に尽きます。

私は「お茶の間の幸せ度数」ということをよく言うのですが、幸せは各ご家庭、お茶の間から生まれてくると思っています。

面白い映画を見て、遊園地で楽しく遊んで、おいしいご馳走を食べて、友達と笑顔でハグして別れても、家に帰って玄関を開けた時、なんだか心寂しくて不安に感じてしまったら、せっかくの楽しかった時間も一気に色褪せ、つまらないものになってしまうのではないでしょうか?

逆に、家に帰ったときに「ああ今日も幸せだった」と思い出してホッと一息つけ、そこがあなたにとって温かな場所であるならば、楽しかった一日は素敵な思い出として心の活力になるはずです。

心理的安全性の多くは家庭と職場によって満たされます。
私たちは帰る場所があるから、心強く前を向けます。誰もが暮らしの質を上げたいと感じていると思いますが、「幸せであると感じる暮らし」こそがひとりひとりのウェルビーイングにつながっています。

Q.その中でベアーズが果たすべき役割は何でしょう?

「個人が“幸せである”と日々感じる暮らし」と「幸せを創造する社会づくり」はイコールです。だからこそ、地域も社会も国も企業も、「暮らす」というところにおけるウェルビーイングを推進することが必要なのだと、私は声を大にして伝えています。

おうちの“困った”=人生の“困った”でもあります。
人生を豊かにし、ひとりひとりが勇気をもって自分の道を歩む後押しとなる、暮らしサポートという新しいソリューションを、社会に強く推進し社会を担っている人たちの力になりたいと思っています。

Q.ウェルビーイングが問われる中、企業はどう変わっていくべきなのでしょうか?
ウェルビーイングな経営とはどのようなものなのでしょうか?

これも私の持論ですけれども、「こうあるべき」を語る前に「こうありたい」というのが大事なんじゃないでしょうか?
企業もそうですが、これはひとりひとりの人間にとって、です。

企業がひとりひとりに「どうしたいのか」を問う機会というのは、あまりないんじゃないでしょうか?

何とか頑張らせようと飴とムチ、あの手この手で画策するのではなく、その人の人となりや、らしさに向き合うことこそが、真にパフォーマンスを引き出す方法なのだと気づいていない企業が多すぎます。

「あなたはどうしたいのか」「あなたはなぜどんな目的でこの会社に入ってきたか」
もっともっと掘り下げてその人と向き合うこと。
その人らしくあるということがその人のベストパフォーマンスを引き出せる、ということに企業も気づくべきなのです。

苦しく我慢している状態では良いパフォーマンスができないということに、経営者やリーダーが気づかないといけません。
「できていないからやれよ」とか「できているからいいね」ではなく、「あなたがあなたらしくいられる環境を教えてください」「そうあれるようにサポートします」という経営スタイルこそが必要です。

もちろん、個人がそれに甘んじてフリーライドする姿勢ではサステイナブルな関係は維持できません。
でも、一度きりの人生の貴重な時間をここで費やそう、とワクワクしながら企業に参画してくれた人が、どうしたらベストパフォーマンスを出せるか。その人がその人らしくいられる時間や働き方を、企業がいかに創ってあげられるかは、もっと考えられるべき日本企業の課題だと思います。

企業が寄り添う姿勢を示せば、誰しも自分のご機嫌・体調をマジメントする自分流のやり方を心得はじめます。

たとえばある人が、「緑の多い部屋の中で、ヒノキのアロマオイルがたかれていて、煌々とした灯りではなく間接照明の中で仕事をすると、私は気分がいい。さらに好きな音楽が流れていたら最高のパフォーマンスが出せる」と言うのであれば、その環境の中において、仕事をさせてあげる。
(ちなみにこの環境が大好きな人というのは私のことです(笑)。)
ひとりひとりがそうやって機嫌よく快適に仕事ができるなら、企業、組織のパフォーマンスもぐっと上がるはずです。

もちろん個人も努力が必要です。
自分が選んで働きたいと思ってきた会社に対して、不満とか憤りとか不服とかを言うのではなく、自分がベストパフォーマンスを出せるようにするにはこうしたいと、上司を信頼し声をあげていってほしいと思います。

どうすれば自分のウェルビーイングが実現できるのか、自分のウェルビーイングを知り、ウェルビーイングに生きようと努めなければいけません。
すなわちウェルビーイングは自分主導なのです。

Q.ベアーズではウェルビーイングが実践できていますか?

各ご家庭にウェルビーイングを届け、各企業にウェルビーイングを説く私たちベアーズだって、従業員全員のウェルビーイングが真に実現できているかと問われれば正直まだまだ。
富士山の二合目といった感じです。

でも、私は少なくとも私の半径3メートルのメンバーには大きな声で堂々と、ウェルビーイングの大切さを伝えていきたいし、それに伴う行動と判断と指示をだしたい。それが私のウェルビーイングでもあります。

そしてそのメンバーがまた自分の半径3メートルのメンバーに伝えていく。
そうやって共に働く者同士で、“幸循環”していく人生の豊かさを目指しています。
こういう人が少しずつ増えていけば、企業・組織はいつしか変わっていきます。

「ファーストペンギン」という言葉があります。
何事も最初のひとり、動き出す人が大事です。
日本の企業でも社会でも、まだまだウェルビーイングは叫ばれ始めたばかりです。
しかしながら私は我が社における「ファーストペンギン」として、たったひとりから、ウェルビーイングを推奨、体現する存在になりたいと思っています。
そして、こういう人が日本に社会に、ひとりでも多く増えていくことを望みます。

マネジメントにおいても、企業戦略においても、まずは思想があり、そこに設計制度があわさって初めて価値を持ちます。
私はすべての中心にウェルビーイングを置き、軸とすることで、腹が決まりました。
ウェルビーイングを中心に考えていけばすべてはシンプルです。

Q.これを読む人へのメッセージをお願いします

もちろん、「人生一筋縄ではいかないし、敵も多いし、嫌な上司の話も聞かなきゃいけないし、意味の分かんない同僚に合わせなきゃいけないし、、ウェルビーイングって何よ!」と思っている方もいらっしゃると思います(笑)

生きていればいろんなことがありますし、誰しも社会的な道をうまい具合に顔をつくって歩いているのは知っていますが(笑)私が聞きたいのは、「あなたは自分の道を自分らしく歩んでいますか?」ということです。

自分の道を自分らしく歩む、その歩み方がわからない方こそ、「ウェルビーイング」が必要です。
改めて自分らしさや自分の幸せを問い直してみてください。
「ウェルビーイング」というキーワードを単なる流行り言葉として見過ごしてしまわないでください。

自分自身の日々を幸せにすることが、同時に世の中を変えていくことにつながっていく、ひとりひとりが家庭の中で、ウェルビーイングをデザインして、行動し一歩踏み出せば、きっとプロジェクトも、組織も、社会も、地域も、国も変えられるのではないかと思っています。

Why we do?私は、私たちは、それをサポートする存在でありたいと思います。

 

インタビュー:株式会社ベアーズ 取締役副社長 高橋ゆき

 

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