家事を賃金換算して“見えない労働”の価値を知ろう。専業主婦・ワーママ必見

共働き

家事労働をお金に換算するといくら?

日本ではいまだに「家事は女性の仕事」とされる風潮が根強く残っています。
専業主婦の家庭でも、共働きの家庭でも、家事の大半を女性が担っているという現実はなかなか変わらないようです。
夫に家事の協力をお願いした際に、「文句を言うなら俺くらい給料を稼いでこい」と返された経験がある人もいるのではないでしょうか。
こうした発言の背景には、「家事はタダ=価値がない労働」という誤解があるのかもしれません。

しかし近年、家事も立派な労働であり、見えない“無償労働”として問題視されるようになりました。
専業主婦の家事労働も、ワーママの二重労働も、実際にお金で換算すれば相当な金額になるはずです。
この記事では、家事労働を具体的に賃金・給料に換算し、その対価について考える方法を解説します。

家事労働とは?年収にしたらいくら相当?     

家事労働とは、料理・洗濯・掃除・買い出しなど、家庭内で日常的に行われる作業全般を指し、場合によっては育児や介護も含まれます。
専業主婦が1日中こなしているこの“見えない仕事”は、実際には非常に重労働です。
特に育児と家事を同時にこなす場合、その精神的・肉体的負担は計り知れません。

では、これらを仮に「給料が発生する労働」として扱った場合、どれほどの金額になるのでしょうか?
以下で3つの方法により、家事を賃金・年収換算していきます。

家事を賃金・給料に換算する3つの方法

残念ながら家事労働では現実的な収入を得ることはできませんが、「仮にお金に換算したらいくらになるか」を合理的に考えることは可能です。

1. 機会費用法で換算する

家事に費やした時間を外で働いていたら得られるはずの給料で換算する方法です。
たとえば、専業主婦が1日7時間家事をしていたと仮定し、30日間休みなく続けたとします。
時給1,430円で計算すると、月収約30万円、年収では約360万円に相当します。

これは「給料としてもらっていないだけで、実際はこれだけの労働をしている」ということの可視化になります。
賃金として受け取っていなくても、専業主婦の働きは立派な価値ある労働なのです。

2. 専門職の平均賃金から換算する

家事の内容ごとに該当する専門職(調理師、清掃員、保育士など)の時給で換算する方法です。
たとえば料理3時間、掃除2時間、洗濯1時間、買い物1時間の1日7時間を計算すると、日給7,600円。
これに育児労働(保育士の時給で換算)を加えると日給は16,350円になり、年収換算では600万円に迫ります。

つまり、給料としては受け取っていなくても、賃金で換算すればフルタイムで働いているのと変わらない年収になることもあるのです。

3. 家事代行サービスの料金で換算する

実際に家事代行サービスに依頼した場合の料金で見積もる方法も有効です。
たとえば時給1,030円で1日7時間働いた場合、日給は約7,210円。
月給21万6,300円、年収に換算すると約260万円です。これに育児分の換算賃金を加えるとさらに高額になります。

実際に計算してみると想像以上に高額になり驚かれるかもしれませんし、思っていたよりも少ないということもあるかもしれません。ただし、いずれにしても「家事はタダ」と安易に言えないことに気づけるのではないでしょうか。

専業主婦やワーママの家事労働に、給料以外で「報いる」方法

専業主婦に限らず、共働きでも女性側に家事が偏りがちなのが現実です。
家事労働を給料・賃金に換算して金額化することで、見えない労働の価値を可視化し、パートナーとの家事分担や話し合いにもつなげやすくなります。

とはいえ、実際に給料をもらえるわけではないからこそ、「換算された価値」を家族の中でどう尊重するかが鍵です。
以下の方法で、家事労働への対価を「形」にしてみましょう。

1. 家事分担の見直し

換算賃金や年収をもとに、夫婦で家事の配分を再考してみましょう。
特に、専業主婦の妻に家事が集中している場合、金額を見せると家族の理解が深まることがあります。

専業主婦の妻が家事に費やす時間を減らすことができれば、空いた時間でパートやアルバイトに出ることもできます。
平日は夫の仕事が忙しくて家事をする時間が取れない場合でも、休日は代わりに家事を担当してもらえれば妻の負担は軽減されます。

2. 家事のメニュー表を作る

子どもの頃に、「肩たたき1回100円」、「おつかい1回300円」等、労働やお手伝いに対してお小遣いをもらっていた経験がある人もいるのではないでしょうか。

それにならい「洗濯1,000円」「夕食1,500円」など、家事に価格をつけてメニュー化。
楽しみながら、家事に対する敬意を家族全体で育てることができます。

ただし、金銭が絡むことで堂々とこき使われたり、関係がギスギスしたりする可能性も否めません。
家事労働においてもっとも大事なのは、お互いの気持ちです。
家事が相当な負担のかかる労働であることを家族全員が認識し、そこに敬意を払うことが前提となります。

3. 感謝の言葉の習慣化

給料や賃金という形での対価はないからこそ、「ありがとう」の一言が何よりの報酬になります。
家事を分担している場合は、それぞれの家事労働を認め合い、ちょっとしたことにも労いの言葉を忘れないようにしましょう。

一方が専業主婦・主夫になっている場合も、相手が家事をこなしてくれているからこそ自分がバリバリ働けるのだという感謝を持つことが肝心です。
「稼いでいるのは自分」という考えから「二人で協力して稼いでいる」に思考転換し、思うだけでなく「いつも家事をしてくれてありがとう」と口に出して伝えましょう。

4. 家事代行のギフトチケットをプレゼントする

お互いに家事の負担を軽減することも大切です。
家族を労ったり、日頃の感謝を伝えたりしたい場合、家事代行のギフトチケットをプレゼントするのはいかがでしょうか。

プロに家事を頼めるだけでなく自由な時間をプレゼントすることができ、さらに普段してもらっている家事への感謝も表すことができます。
家事や育児に疲れている女性の場合、高価なプレゼントよりも何よりも「自分ひとりの時間」が欲しいと切実に願っていることも。
家事代行によって2~3時間でも、自分が自由にできる時間が増えれば、相当なリフレッシュになるでしょう。

【参考】家事代行サービスギフト「おそうじ美人」

まとめ

「家事はタダ」と思われがちですが、給料や賃金に換算して考えれば、その労働は決して軽いものではありません。
専業主婦も、共働きで家事を担うワーママも、自身の労働価値を数字で把握してみましょう。

換算結果を見れば、家族の中での役割や配慮の在り方が変わるかもしれません。
感情論ではなく、賃金ベースで話し合うことで、よりフェアな家庭運営を目指しましょう。
家事という「無給の年収」を可視化することは、家庭の尊重と感謝を育てる第一歩です。

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