家事労働をお金に換算するといくら?
共働き
更新日:2019.10.18

専業主婦がいる家庭でも共働きの家庭でも、日本ではまだ女性が中心となって家事をしているケースが多くみられます。夫に家事の協力を訴えた際に、「文句を言うなら俺くらい稼いでこい」と返され、夫婦喧嘩に発展した経験がある妻もいるかもしれません。男性のこうした主張の根底には、「家事はタダ」という発想があるのだと考えられます。
しかし今では、家事も労働とみなす考え方が進み、「家事労働」という言葉も一般的になってきました。果たして、本当に「家事はタダ」なのでしょうか?
この記事では、家事労働をお金に換算するといくらになるのかについて詳しく解説します。ワンオペ家事等で負担の大きさに悩んでいる人は、その金額をもとに家族と話し合ってみてはいかがでしょうか。
目次
家事労働とは?
家事労働とは、家庭内で行われる料理や掃除、洗濯といった家事も労働としてみなす概念です。そこには育児や介護等を含む場合もあります。家の仕事は幅広く、やることを挙げればキリがありません。しかも、毎日三度の食事を用意したり、掃除機をかけたり、洗濯をしたりと、そのほとんどが立ち姿勢での仕事です。加えて、買い出しに行ったり買ってきた食品や生活用品を家まで運んだりといった仕事もあります。家族の人数や子どもの有無にもよりますが、すべてをこなすのには相当な労力が必要でしょう。 家事は、このように体を動かすものだけではありません。家計管理や日々の献立作成等の精神的な労働もあります。一家の主婦が一切の家事をこなしている場合、夫や子どもが日々健康に、快適に過ごせるのは主婦の働きのおかげだといえます。しかし、どんなに完璧に家事をこなしても、現
家事労働をお金に換算する方法は3つ

残念ながら家事労働では現実的な収入を得ることはできませんが、「仮にお金に換算したらいくらになるか」を合理的に考えることは可能です。具体的には3つの方法があり、順番に説明していきます。
1. 家事労働の時間を、外での仕事として計算
まず、家事をしている間に仕事に出ていたとしたらいくらの賃金になるかで計算する方法です。正式名称は、「機会費用法」といいます。
たとえば、妻が34歳で幼い子どもがいるケースで考えてみましょう。総務省の「社会生活基本調査」によると、5歳以下の子どもがいる家庭において、妻が1日のうち家事や家族のために費やしている時間は約7時間です。次に、厚生労働省が調査した平均賃金では、34歳の女性の時間給は1,430円となっています。
家事や育児には基本的に休みがありませんので、月の労働日を30日として機会費用法で計算すると、1,430円×7時間×30日=30万300円となります。つまり、月収は約30万、年収に置き換えると約360万です。つまり、家事や家族のお世話によって、これだけの収入を得る機会を損失しているといえるのです。時間給についてはあくまで世の中の平均です。専業主婦になるまでは正社員として働いていた人や共働きの人の場合は、実際に自分が得ていた、または得ている賃金で計算してみましょう。
自身の家事労働に応じてさらに細かく計算したい場合には、家事代行のベアーズのサイトから「家事を月給に換算できる診断サービス」を試してみてはいかがでしょうか。家族構成や間取り、子どもやペットの有無、掃除や料理等家事全般の頻度をもとに、より実態に合った家事価格を計算してくれます。合計費用だけでなく項目ごとの金額も出してくれるので、プリントアウトすれば家族会議の資料としても使えます。計算は数分程度で済みますので、ぜひ一度試してみることをおすすめします。
2. 似た専門職の時給として計算
家事労働の内容を料理や掃除等の項目に分け、それぞれに対応する専門職の平均時給から計算する方法もあります。たとえば、1日のうち家事に費やしている時間が7時間として、仮にそのうちの3時間が料理、2時間が掃除、1時間が洗濯、買い物が1時間と決め、日給を計算していくやり方です。
賃金構造基本統計調査によると、各専門職の平均時給は、
・調理師は1,150円
・ビル清掃員は1,000円
・洗濯工は1000円
・買い物の用務員は1,150円
です。
この平均時給を当てはめてみると、
・料理は1,150円×3時間=3,450円
・掃除は1,000円×2時間=2,000円
・洗濯は1,000円×1時間=1,000円
・買い物は1,150円×1時間=1,150円
です。 つまり日給は7,600円になります。月収に換算すると、7,600円×30日=23万5,600円、年収では282万7,200円です。
家事と同時進行で、育児もしているという人も多いですよね。その場合は、保育士の平均時給である1,250円も上乗せしましょう。7時間の育児の日給は8,750円です。家事と合わせた日給は16,350円となります。家事と育児の両方をこなしている場合での月収は、16,350×30日=49万500円で、約50万円です。年収にすると約600万円にもなります。
3. 家事代行のサービス料として計算
最後に、家事労働を家事代行サービス料金に置き換えて計算することもできます。厚生労働省の賃金実態調査によると、家事代行サービスに就いている人の平均時給は約1,030円です。こ
れを踏まえて、1日7時間家事をこなした場合の日給を計算すると、約1,030×7時間=約7,210円です。月給は、7,210円×7時間×30日=21万6,300円で、年収にすると約260万円です。さらに育児もこなしている人の場合は、これにさきほど計算した育児の労働対価を加えるとよいでしょう。
このように家事労働をお金に換算する方法は大きく3つあります。特に、1日の多くを家事に費やしているという自覚のある人は、もっとも自分に合った方法で、一度具体的な対価を弾き出してみることをおすすめします。想像以上に高額になり驚かれるかもしれませんし、思っていたよりも少ないということもあるかもしれません。
ただし、いずれにしても「家事はタダ」と安易に言えないことに気づけるのではないでしょうか。
家事労働の対価を払う方法

自身の家事労働の対価を知ることはとても大切なことですが、当然ながら把握したところで現実的な賃金がもらえるわけではありません。余計に「タダ働きをさせられている」という気持ちが増す場合もあるかもしれません。
しかし、工夫すれば賃金以外で家事労働の対価を払ってもらうこともできます。賃金以外でも、家事労働に見合った報酬を得ることができればやる気もキープできますよね。ここからは、その具体的な方法について説明します。
1. 家事を分担する
まず、家庭における家事の分担を見直すことです。妻だけに家事の負担がかかっている場合は、計算した家事労働の対価を夫にも共有し、どれだけの仕事量をこなしているのかを知ってもらいましょう。
一般的に、「家事が大変」という感情論よりも、具体的な平均賃金や時給に基づいた数字で伝えるほうが説得力を増します。この機会に家事労働の負担を夫婦で把握し、どちらか一方だけに偏らないように家事をシェアしてみるとよいでしょう。
専業主婦の妻が家事に費やす時間を減らせれば、空いた時間でパートやアルバイトに出ることもできます。平日は夫の仕事が忙しくて家事をする時間が取れない場合でも、休日は代わりに家事を担当してもらえれば妻の負担は軽減されます。
2. 家事のメニュー表を作る
少し大胆な方法ですが、家事のメニュー表を作るというアプローチもあります。子どもの頃に、「肩たたき1回100円」、「おつかい1回300円」等、労働やお手伝いに対してお小遣いをもらっていた経験がある人もいるのではないでしょうか。
それと同じ要領で、「夕食作り:1,000円」、「洗濯:1,000円」というように、家事サービスに都度対価を支払ってもらう方法です。「エアコン掃除:外食ディナー1回分」等、金銭以外の対価を設定してもかまいません。自分にとってもっともやる気を引き出す対価を決め、家事労働をメニュー化してみるのも、家事の価値をアピールするやり方の一つです。
ただし、金銭が絡むことで堂々とこき使われたり、関係がギスギスしたりする可能性も否めません。家事労働においてもっとも大事なのは、お互いの気持ちです。家事が相当な負担のかかる労働であることを家族全員が認識し、そこに敬意を払うことが前提となります。
3. お互いに家事の感謝を伝え合う
基本的なことですが、お互いに家事の感謝を伝え合うこともとても大事です。家事を分担している場合は、それぞれの家事労働を認め合い、ちょっとしたことにも労いの言葉を忘れないようにしましょう。結婚するまで実家暮らしだった人の場合、家事は初心者レベルということもあり得ます。たとえ相手の家事レベルが低くても、ダメ出しをせずに温かい気持ちを持って接してあげることが大切です。
妻が専業主婦で夫が働いている場合でも、妻が家事をこなしてくれているからこそ夫がバリバリ働けるのだという発想を持つことが肝心です。「稼いでいるのは自分」という考えから「二人で協力して稼いでいる」に思考転換し、思うだけでなく「いつも家事をしてくれてありがとう」と口に出して伝えましょう。家事に限らず、お互いに尊敬と感謝の気持ちを忘れないでいることが、夫婦円満の秘訣でもあります。
4. 家事代行のギフトチケットをプレゼントする
お互いに家事の負担を軽減してあげることも大切です。家族を労ったり、日頃の感謝を伝えたりしたい場合、家事代行のギフトチケットをプレゼントする方法はとても効果的です。
プロに家事を頼めるだけでなく自由な時間をプレゼントすることができ、さらに普段してもらっている家事への感謝も表すことができます。家事や育児に疲れている女性の場合、高価なプレゼントよりも何よりも「自分ひとりの時間」が欲しいと切実に願っていることも多くあります。 家事代行によって週に2~3時間でも、自分が自由にできる時間が増えれば、相当なリフレッシュになるでしょう。家族が自分のためにギフトチケットを買って時間をプレゼントしてくれたと思えれば、また明日から家事を頑張ろうという気持ちも自然と湧いてくるのではないでしょうか。
まとめ
自分だけに家事の負担が偏っていて不公平感を感じている場合には、紹介した方法で家事労働をお金に換算して考えてみてはいかがでしょうか。
家事に費やしている総労働時間も把握できますし、家事への負担が数値化されることで、家事に対する家族の理解も深まります。共働きで、どうも夫婦間の家事分担がうまくいかない場合にも、家事労働の対価表があれば、感情的にならずに話し合えるでしょう。家事労働の考え方を活用して、家族にとってよりよい解決策について考えてみませんか。
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