共働きのメリットとデメリットとは?夫婦円満のコツ

共働き


夫婦で共働きをしている世帯は年々、増加傾向です。

共働きには「夫と妻、2人分の収入を得ることができる」「女性もキャリアを中断せずに積み重ねていくことができる」といった多くのメリットが存在します。しかし、共働きのデメリットも存在するのです。

今回の記事では、共働きの良い面と悪い面について考察し、共働きをうまく継続していくコツをご紹介します。

共働きをするメリット

まずは、夫婦で共働きをするメリットからご紹介します。共働きには、主に6つのメリットがあると考えられます。

世帯収入を増やしやすい

共働きをする最も大きなメリットは世帯収入を増やせることです。夫婦の2人とも仕事を持っていれば、万が一、病気やけがなどで休職するような事態になっても、収入が途絶えることはありません。また、どちらかの勤務先の経営状態が悪化してボーナスがカットされるなどいったケースも起こり得ることを考えると、やはり、二馬力で働けることの安心感は大きいといえるでしょう。

ちなみに、国税庁の民間給与実態調査によると、平成30年度の平均年収は男性が545万円、女性が293万円となっています。単純に考えれば、共働きにすることで世帯年収で800万円は目指しやすいということになります。

計画的に貯蓄しやすい

夫婦が2人とも働いていれば収入が増え、余裕があるお金を貯蓄に回すことも可能です。計画的な貯蓄のしやすさも共働きの大きなメリットです。

ただし、共働き世帯では忙しさにかまけて、外食やテイクアウトといった出費が多くなってしまう傾向もあります。お互いの収支を把握しないまま、どんぶり勘定で生活をしていると、貯蓄についてルーズになる場合も出てくるでしょう。

2人とも稼いでいるにもかかわらず意外に貯蓄できていない家庭もあります。しっかりと貯蓄をするためには家庭内で貯蓄のルールを作り、計画的に貯蓄していくとよいでしょう。

同じ世帯収入でも手取り額が多い

日本の所得税は累進課税制度を採用しているため、世帯年収が同額の場合でも、夫婦の1人だけが得た収入の場合と夫婦2人で得た収入の場合とでは、課税率が違ってきます。

たとえば、夫の年収が1,000万の専業主婦の家庭に課せられる所得税額は約80万円です。それに対して、夫と妻の年収がそれぞれ500万円(2人の年収の合計が1,000万円)の場合、所得税は約20万円(夫婦の合計で約40万円)になります。結果として、同じ世帯年収であれば共働き世帯のほうが手取り金額が多く、お得になるといえるのです。

年金の受給額が増える

会社員と公務員は厚生年金と国民年金に二重に加入しており、その妻が専業主婦の場合は、妻の分の年金保険料を払わなくても夫の定年後に基礎年金を受給できます。しかし、令和になる前後から、専業主婦が受給できる年金を半額にするという案が浮上しており、「年金については専業主婦のほうがお得」といえなくなってきました。

それに対し、妻も働いて年金保険料を納めてきた場合は、受給できる年金の金額も高くなります。専業主婦と働く妻の年金受給額を比較すると月額で約5万円、年額で約60万円、65才から85才までの20年間では約1200万円もの差額が生じるのです。

出産手当金や育児休業給付金がもらえる

出産時に受け取ることができる手当が多いことも共働き世帯ならではのメリットです。妻が専業主婦の場合に受給できる手当は出産一時金(42万円)のみですが、妻が会社員として働いている場合は、出産一時金に加えて出産手当金と育児休業給付金も給付されます

出産手当金は給料の約3分の2に相当する金額が健康保険から支給される制度で、健康保険に加入していれば雇用形態が正社員でもアルバイトでも需給が可能です。また、育児休業給付金とは、育児休業中の会社員が会社に申請することによって会社から支給される給付金を指します。

何かあったときのリスクを分散できる

万が一、病気や事故、勤務先の倒産といった事態になって収入源が断たれたとしても、共働きをしていれば世帯収入がゼロになることはありません。そのため、療養や再就職のための活動をじっくりとできます。

一方、専業主婦の家庭で夫が働けなくなった場合は世帯収入がすべて途絶えることになります。かといって、仕事にブランクがある状態の専業主婦が、すぐに仕事を見つけて働きに出るのも難しいでしょう。

共働きを続けていれば、何らかの事情でキャリアにブランクが生じた場合でも、専業主婦に比べて社会復帰がしやすいといえます。

共働きをするデメリット

次に、共働きをする場合はどのようなデメリットがあるのかについても、みていきましょう。一般的によくいわれるデメリットとは以下で挙げる5つです。

子どもを保育園にいれる必要がある

共働き世帯に未就学の子どもがいる場合、夫婦の2人ともが仕事で家にいない時間帯に子どもを預けることができる場所を見つけなければなりません。育児に協力してくれる両親などが近くに住んでいる場合は仕事中に子どもを預かってもらえることもあるでしょう。そういった例を除くと、子どもを保育園に通わせるのが一般的です。

しかし、認可保育園は待機児童が問題になっているほど数が少なく、はいれる保育園を探すだけでも、かなり大変だというケースも多くあります。はいれる保育園が見つかったとしても、保育料で出費も増えるのです。

社会的な出費が増える

共働きをする場合、夫だけでなく妻も勤務先の付き合いで飲み会や送別会などに出席する機会が増えるため、その分、家計から出費する交際費も増加します。また、職場の人間関係を良好にするために誕生日プレゼントや結婚祝い、出産祝いなどを贈る機会も多くなることによって、社会的な出費が増える傾向があるのです。

また、働く妻は専業主婦に比べて公的な場に出る機会が非常に多くなるため、スーツやパンプスなどの被服代や美容院代、化粧品代なども専業主婦より高額になる場合が多いといえます。

家族で過ごす時間が減る

現代では働き方や労働時間も多様化しており、勤務時間も朝から夕方とは限らなくなっています。交代制(シフト制)には勤務時間が一定しない3交代制や拘束時間が12時間以上になる2交代制などがあり、正社員でも交代制で勤務する場合があるのです。

夫婦のどちらか、あるいは、2人とも交代制勤務の場合、勤務時間や休日のすれ違いが起こりやすくなります。朝しか顔を合わせない場合や、落ち着いた会話をする時間が取れない場合もあるでしょう。くわえて、子どもを保育園に通わせることによって、子どもと顔を合わせる時間も減ってしまいます。

家計の管理が甘くなる

共働き世帯では「夫婦の2人とも収入がある」という安心感から、財布のヒモもゆるくなりがちだといわれています。世帯収入は専業主婦の家庭よりも多いので貯蓄がしやすいようにみえて、家計の管理が甘くなり、浪費してしまう場合もあるようです。

また、家計に必要な分を負担した残りのお金は夫と妻が別々に管理しているケースも多く、家庭の資産がどれだけあるかがわかりにくい場合も多くあります。共稼ぎ世帯でも、夫か妻のどちらかが家計の管理を担当したほうがよいでしょう。

家事・育児・仕事の両立が難しい

日中は2人とも家庭の外に働きに出てしまうため、家事や育児と仕事の両立をうまく続けることが難しくなってしまうケースも多くみられます。特に、仕事が忙しいときなどは料理や掃除をする時間を十分に取れなくなって外食やテイクアウトが増えたり、家の中が散らかったままだったりする場合があります。

また、共働き世帯でも「家事は女性の仕事」と思っている夫や家事能力が不足している夫は珍しい存在ではありません。その結果、妻に仕事と家事の負担が偏るケースも多いのです。

共働きをラクにするコツ 

この段落では、共働きの生活をラクにして共働きを無理なく継続していくためのコツを4つ、紹介します。

役割分担を決める

夫と妻のどちらかだけに負担が偏ることがないように、家事や育児の役割分担を決めることが効果的です。たとえばお金の面なら、妻が家計管理を担当し、夫は投資を担当するなど、それぞれの得意分野を活用して役割分担をするとよいでしょう。あるいは、買い物は夫が担当し、料理は妻が担当するといった分担方法もあります。

役割分担は必ずしも半々に決めることはありませんが、「夫と妻のそれぞれができることをする」「相手の負担になっていないかを思いやる」という姿勢が大切といえるでしょう。

家事に完璧を求めない

専業主婦でも家事を完璧にこなすのは容易ではないといわれています。まして、夫も妻もフルタイムで仕事をしている場合は、家事に割くことができる時間も労力も、より少ないのです。

お互いに家事に完璧を求めないことや、きちんとできていないことがあってもお互いに相手を責めないことが、共働きの生活をラクにするコツといえます。忙しいときは家事が多少おろそかになってしまってもしかたがない、という認識を夫婦で持つようにしましょう。

家事の時短をする

家事は時間をかけて丁寧にすればよいというものではありません。特に、共働きのため家事にかける時間を多く取ることが難しい場合は、いかに家事を短時間で効率よく片付けるかがポイントといえます。家事のやり方を工夫して、できるだけ時短ができるように意識してみましょう。

たとえば、休日に料理を作り置きしたり、ロボット型掃除機や食器洗い乾燥機、乾燥機付き全自動洗濯機など便利な家電を導入したりといった家事の時短方法があります。また、布団乾燥機や自動調理ができる家電も家事の時間と負担を軽減できるグッズです。

家事代行を頼む

家事はすべて自分でしなければならないものと思い込んでいませんか? ときには家事代行サービスを呼んで家事の一部だけでもまかせてしまい、空いた時間を家族水入らずでゆっくりと過ごす日を作ることもおすすめです。

派遣されてくる家事代行スタッフは限られた時間内で効率的に家事を処理する訓練を受けたプロですから、手際のよい家事の進め方を学ぶこともできます。家事代行サービスは時間単位で依頼することができるため、気軽に試してみてはいかがでしょうか。

【参考】家事代行サービス 初回お試しプラン/株式会社ベアーズ

まとめ

共働きというライフスタイルにはメリットとデメリットの両方が存在します。共働きで、どのような工夫をすることがベストという正解はありません。2人にとって一番やりやすい形を選べるように、夫婦でよく話し合ってみるとよいでしょう。

とはいえ、快適なやり方にたどり着くまでは試行錯誤することもあり、ツライと感じる時もあるかもしれません。そんなときは、今回ご紹介したコツを参考にして、たまには周りの誰かに頼ってみるのもおすすめです。

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