【妊娠初期の症状チェック】いま気をつけるべきことは?

出産・子育て


妊娠初期には体にさまざまな変化が起こります。吐き気がする「つわり」等が有名ですが、吐き気以外の症状が出ることもあるのです。しかし、「なんとなく体調が良くない」と感じた場合でも、それが妊娠によるものなのかどうかとなると、なかなか自分では判断が難しいこともあるでしょう。

そこで、今回は妊娠初期によくある症状や妊娠初期の妊婦さんが気をつけなければいけないことをご紹介します。

妊娠初期はいつまで?

妊娠15週まで(妊娠1~4カ月まで)が妊娠初期です。中でも、妊娠0~3週までを「妊娠超初期」と呼ぶ場合もあります。最後の生理の初日を妊娠0週0日として数えるため、生理が28日周期の方の場合は、受精卵が子宮の中に着床して妊娠が成立した段階で妊娠3週ということになります。生理が遅れて「妊娠したかな」と思い始めた時点で、既に妊娠4週を過ぎているのです。

妊娠した場合、早い方では妊娠4週ごろから、さまざまな症状が出てくる場合があります。妊娠の兆候として知られている「つわり」は一般的に妊娠5~6週ごろから始まり、妊娠8~10週ごろが最も症状がひどくなることが多いようです。他の症状としては眠気やだるさを感じる場合もあります。こういった症状は妊娠周期が進むにつれて軽くなることが多いですが、中には出産直前まで続く方もいます。

妊娠初期の症状チェック

ここでは、妊娠初期の特徴となる症状をご紹介しますので、ご自分にあてはまるかどうかチェックしてみてください。ただし、ここで挙げる症状が妊娠の兆候のすべてではなく、人によってさまざまな症状が出るケースもあります。

生理の遅れや不正出血がある

いつも生理周期が順調なのに生理が遅れている場合は、妊娠の可能性があります。また、妊娠初期では、もともとの生理の予定日に「月経様出血(着床出血)」と呼ばれる少量の出血がみられるケースもあるため、経血が少ないと感じた場合も妊娠を意識したほうがよいでしょう。もともと、生理が不規則な方や出産後に生理が再開していない方の場合、気付くのが難しい場合もあるため、注意が必要です。

のぼせやほてった感覚がある

妊娠すると、赤ちゃんを守り育てる母体を準備するために、妊娠周期によってホルモンバランスが大きく変化します。特に、妊娠初期にはエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)等が増加し、新陳代謝が活発になるのです。それによって体温が上がるため、ふだんよりも体が熱く感じ、のぼせやほてりに悩まされることがあります。また、体温を下げるために、よく汗をかくようになることもあるのです。

常に眠い

妊娠初期にプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加すると、その影響によって眠気を感じやすくなる場合もあります。日中から異常な眠気を感じる、睡眠時間をたっぷりととっているはずなのに眠い、という症状がある場合は、妊娠している可能性があります。念のため、早めに産婦人科を受診したり妊娠検査薬を使ったりしてチェックするようにしましょう。

便秘やお腹の膨張感

妊娠すると消化機能の働きが低下する場合があり、それによってお腹の張り(腹部膨満感)といった症状が出るケースもあります。生理の前にも同様の症状を経験したことがある方も多いでしょう。また、便秘もしやすくなります。このような症状が出たら、食物繊維を豊富に含む食事や水分を意識的に摂るようにしましょう。

また、軽い運動をすることによっても症状が和らぐ場合があります。ただし、妊娠初期にどの程度の運動をしてもよいかについては個人差があるため、医師と相談の上でおこなうほうが安心です。

食欲が増した・減った

特に原因が思い当たらないのに食欲がなくなったり、逆に食欲が増したりというのも、妊娠初期によくある症状といわれています。また、大好物だった食べ物が苦手になったり、逆にふだんは食べたいと思わなかった食べ物を無性に食べたくなったりする等、食の好みが変化する方もいます。

食欲低下と「つわり」が重なると、最悪の場合はほとんど何も食べられず、衰弱してしまう場合もあるので注意が必要です。早めに医師に相談しましょう。

つわりがある

「つわり」は妊娠の症状として最も一般的なものです。早ければ妊娠5~6週から症状が現れますが、一般的には妊娠が判明してから1カ月後の妊娠8~10週くらいにピークを迎えます。ただし、「つわり」の程度は人によって異なり、まったく「つわり」を感じない方もいます。

「つわり」が一日中続く方もいれば、朝や午前中だけ症状が出るという方もいます。妊婦さんは血糖値レベルを安定させることが大切なので、朝に目覚めたら起き上がる前に、何か軽いものを口に入れるとよいでしょう。また、日中の食事も3食でとろうと思わず、もっと回数を分けて少しずつ召し上がってください。

イライラしたり気分が落ち込む

妊娠するとホルモンバランスが急に大きく変化するため、精神状態にも影響が及びます。人によっては気持ちが不安定になり、イライラする等感情のコントロールが難しくなったり、わけもなく気分が落ち込んだりすることがあるのです。

妊娠を知った方は喜びと同時に不安も感じるものですが、必要以上に落ち込まないようにしましょう。あまりにも不安が大きい場合は、ホルモンバランスの乱れからくる可能性があることを、頭の片隅に置いておくとよいかもしれません。

妊娠初期の気をつけるべきこと

ここでは、妊娠初期に妊婦さんが心がけたほうがよいポイントを4つ、紹介します。妊娠に気付くのが遅くなった場合や妊婦さんが避けるべきことを知らなかった場合等は、心配になってしまうこともあるかもしれません。その場合でも医師に相談すれば「問題ない」といわれる可能性があるので、1人で悩まないようにしましょう。

葉酸をたくさん摂る

ビタミンB複合体の1つである葉酸は、細胞が増殖する際に必要となるDNAの合成を助ける栄養素です。妊娠初期は胎児の細胞分裂が活発に行われる大切な時期のため、この期間に葉酸が足りないと、胎児に先天性異常が発生する危険性が高くなる可能性があります。葉酸不足で起こりうる先天性異常としては、無脳症や二分脊椎といった神経管閉鎖生涯が知られています。

そのため、妊娠する可能性のある女性は、妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月にかけて、積極的に葉酸を摂るように推奨されているのです。葉酸はふだんの食事にも含まれていますが、くわえて、モノグルタミン酸型の葉酸をサプリ等で摂取することが望ましいとする説もあります。

タバコとアルコールをやめる

受動喫煙を含む喫煙は胎児に深刻な悪影響を及ぼすことがわかっています。たとえば、「流産率が2倍になる」「早産率が1.5倍になる」「低出生体重児になる」等のリスクがあるのです。赤ちゃんが欲しいと思っている方は、妊娠する前から禁煙したほうがよいでしょう。

また、妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群(赤ちゃんの脳の発育に悪影響)」等、発育障害の原因になります。それだけでなく、ふだんはお酒が強い方でも妊娠中は飲酒で気分が悪くなりやすいです。妊娠したらお酒は控えたほうがよいでしょう。

薬の服薬は医師に相談する

妊娠周期や薬の種類によっては、お腹の赤ちゃんによくない影響が出る場合もあります。特に、妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んにおこなわれる時期のため、服薬については慎重におこなうことが大切です。薬によっては妊娠中でも使用できるものや、母体の健康維持のために服薬するほうがよいとされるものもあります。

大切なことは、素人が個人の判断で服薬したり、服薬をやめたりしないことです。万が一、出産後の赤ちゃんに異常があった場合、ママはただでさえ「自分のせいではないか」と思い詰める傾向があります。そのように悩む原因となりかねないため、妊娠中の服薬については決して自己判断せず、医師に相談しましょう。

無理はしない

体調がよければ、妊娠中でも普段と同様に仕事や運動をしてもかまわないといわれています。ただし、妊婦さんは急に腹痛やお腹の張り等の体調不良が出る場合もあるため、そのようなときは無理をせずに休むようにしましょう。

特に立ち仕事やお腹に力が入る作業、長時間の労働はできるだけ、他の人に替わってもらうほうが安心です。また、激しい運動や球技等は控えて、ウォーキングやマタニティヨガ、マタニティスイミング等を選ぶほうがよいでしょう。

また、飛行機の搭乗や手荷物検査でのX線・搭乗中の放射線に関しては、特に赤ちゃんへの悪影響はないといわれています。しかし、妊娠中はふだんよりも体調が悪くなりやすい時期であることを意識して、無理はしないようにしましょう。場合によっては、飛行機に乗ることによってつわりが悪化したり、エコノミークラス症候群や貧血等の症状が出やすくなったりする場合もあります。また、妊娠後期に飛行機を利用する場合は医師の診断書が必要です。

妊娠初期を過ごしやすくする方法

ここでは、つわりで体がつらくなりやすい時期である妊娠初期をできるだけ過ごしやすくする方法を3つ、ご紹介します。

下半身を冷やさずリラックスできる服を着る

妊娠初期は精神面では気分の浮き沈みが起こりやすく、肉体的にも疲れやすくなる等、心身の両面でストレスを感じやすい時期です。そのため、服装を選ぶときはファッション性よりも「できるだけストレスにならない服装」を優先しましょう。

たとえば、快適な肌触りの生地でウェストやお腹を締め付けない服装がおすすめです。また、体を冷やさないように工夫しましょう。外出時には軽く羽織れる上着等を携帯すると、外気温や室温の変化に応じて脱いだり着たりして調整できます。

自分の気持ちと「してほしいこと」を夫に伝える

妊娠中は体調や気持ちが不安定になりやすく、夫の理解やサポートが必要になります。いちいち言わなくても察してほしいと思ってしまいがちですが、実際には、なかなか夫に気持ちをわかってもらえず、イライラしてしまうこともあるでしょう。

妊娠した経験がない人、ましてや男性に妊婦さんのつらさや不安をイメージするのは簡単ではありません。「妊娠している妻をいたわってサポートしたい気持ちはあるけれど、具体的に何をしたらいいのかわからない」「何をすると妻の気に障るのかもわからない」と悩む夫も多いのです。

不安や要望は、言葉にして伝えるようにしましょう。できるだけ具体的に伝えるほうが男性にとってはわかりやすい場合も多いです。

家事を第三者に任せる

妊娠初期は母体と赤ちゃんの健康のために大切な時期といえます。また、心身の変化が大きいことから、疲れや体調不良が起きやすい時期でもあるため、無理は禁物です。

そこで、妊娠初期には家事代行サービスを利用して家事をお休みし、体をいたわる時間を持つようにしましょう。また、赤ちゃんが生まれた後は、出産の疲れから回復しないうちからハードな新生児育児が待っています。そのような時期にも、家事代行サービスに頼ると便利です。ふだんの家事だけでなく、買い物や銀行・役所での手続きや庭木の手入れ等もお任せできます。

【参考】家事代行サービス 初回お試しプラン/株式会社ベアーズ

まとめ

妊娠初期はお腹の赤ちゃんが健やかに発育するために、とても重要な時期です。また、急激なホルモンバランスの変化により、ママの心身にも大きな負担がかかっています。ですから、この時期は仕事や家事で心身ともに、無理をしないように気をつけましょう。周囲や便利なサービスの協力を得ながら、できるだけ安静にお過ごしください。

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